
こんにちは、億トレサラリーマンです。
3月6日、防衛関連株の大本命と言われている三菱重工(7011)が上場来最高値を更新しました。
近年、世界各地で地政学リスクが高まり、マーケットは神経質な動きを見せています。特に、日本国内でも景気後退の兆しが見え始め、投資家のリスク回避姿勢が強まるなかで、特定のセクターに資金が集中する現象が起きています。その一つが「防衛関連株」です。
ウクライナ情勢や中東の不安定化、さらには東アジアにおける緊張の高まりなど、国際的な安全保障環境はますます不透明になっています。特に、日本周辺では中国の軍事的台頭や北朝鮮のミサイル発射が相次ぎ、安全保障に対する関心が急速に高まっています。これにより、防衛費の増加が政府の重要課題となり、それが関連企業の業績向上への期待につながっています。
一方、国内の経済状況も投資資金の流れに影響を与えています。日本では、物価上昇や賃金の伸び悩みなどから、景気後退への懸念が強まっています。こうした状況の中で、景気の変動に左右されにくい防衛関連企業は、安定した収益基盤を持つと見なされ、投資家からの注目を集めています。政府による防衛予算の増額が続く限り、防衛関連銘柄の業績が一定の成長を維持できるとの見方が強まっているのです。
今回の記事では、上場来高値を更新した防衛関連の大本命「三菱重工(7011)」は今後どのような株価を辿るのか。そして、なぜいま防衛関連株が買われているのかという内容のお話をしていきたいと思います。
世界的な防衛費の急増:日本の立ち位置と今後の展望
英国の権威ある国際戦略研究所(IISS)が最新の調査結果を発表し、2024年の世界全体の防衛費は過去最高となる日本円で380兆円(2兆4600億ドル)に達したことが明らかになりました。この数字は、世界各国が安全保障環境の変化に対応するため、軍事力の強化に前例のない規模で投資していることを示しています。
防衛費の国別ランキングと特徴
国別の防衛費を見ると、アメリカ合衆国が9680億ドルと圧倒的な数字を記録し、世界全体の約40%を占めています。これは、同国が「世界の警察官」としての役割を維持するための膨大な投資を続けていることの証左といえるでしょう。
次いで中国が2350億ドルで2位につけており、過去10年間で着実に軍事費を増強してきた結果が表れています。特に、海洋進出や先端技術分野への投資が顕著であり、アジア太平洋地域における影響力拡大を明確に意図していると分析されています。
3位にはロシアが1459億ドルでランクイン。ウクライナ侵攻以降、防衛産業への投資を大幅に増加させており、西側諸国との緊張関係が続く中で、軍事力の維持・強化に注力している状況が読み取れます。
日本の防衛費と展望
この世界的な軍事費増大の流れの中で、日本は世界第9位となる530億ドルの防衛費を計上し、前年比で16.5%増という顕著な増加率を示しています。この増加率は主要国の中でも際立って高く、日本の安全保障政策が大きな転換点を迎えていることを示唆しています。
日本政府は「国家安全保障戦略」の改定を通じて、北朝鮮のミサイル開発や中国の軍事的台頭、ロシアの軍事行動など、周辺国の動向を「日本にとっての最も厳しい安全保障環境」と位置づけています。このような認識に基づき、2027年度までに防衛費関連支出をGDP比2%まで引き上げる方針を明確に打ち出しています。
これは実質的に、戦後長らく維持されてきたGDP比1%程度の防衛費水準から大幅な転換を意味しています。
防衛関連株に資金流入!その背景は?

アメリカとウクライナの首脳会談が決裂
2月28日、ホワイトハウスでアメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が行われました。ウクライナの鉱物資源に関する協定で合意がなされるとみられていましたが、合意はなされず会談は終了。冒頭から激しい口論を繰り広げ、かえって対立が深まるという異例の事態となりました。ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領がロシア寄りの立場で停戦合意をまとめようとしていることに強く反発。一方、トランプ大統領はアメリカからの支援がなければ戦争を継続することすらままならないのにも関わらず、ゼレンスキー大統領が当然のようにアメリカに支援を求めてきたことに対して、強い不満を持っていました。両者の会談は決裂し、トランプ大統領からは第三次世界大戦というワードまで飛び出したことでマーケットでは強い警戒感が広がる結果となりました。
トランプ政権がウクライナへの軍事支援を一時停止
3月3日、米ホワイトハウス関係者がロシアと戦争を続けているウクライナへの軍事支援を一時停止すると述べたことが報道されました。アメリカは、ロシアが3年前にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、同国に対して武器、装備、財政支援などの軍事支援をしてきましたが、支援が確実に解決に貢献するような形となるよう見直しを図っているとのことでした。この報道により、さらに警戒ムードが高まる格好となりました。
トランプ政権からの圧力
最新の報道によれば、米国のトランプ政権は日本政府に対し、2028年度以降も防衛費の積み増しを継続し、より高い目標値を設定するよう要求していることが明らかになりました。特に注目すべきは、日本の防衛費をGDPの3%程度まで引き上げるべきだとする具体的な数値目標が示されている点です。GDP比3%という数字は現行の防衛費から単純計算で約1.5倍の規模であり、年間で10兆円以上の追加的財源が必要となる可能性があります。
この報道を受けて、中期的に日本の防衛予算が一段と拡大される方向にあるとの見方が市場関係者の間で強まっています。特に防衛関連企業にとっては、長期的な業績伸長が期待できるシグナルとして好感されています。
防衛装備品の開発・生産を手がける三菱重工業や川崎重工業、電子機器関連の三菱電機や日本電気、さらには防衛システム関連のIHIや富士通など、幅広い業種の企業が恩恵を受ける可能性が高まっています。また、これらの主要企業に部品や技術を供給する中小の専門メーカーにも波及効果が見込まれ、防衛産業のサプライチェーン全体の活性化につながるとの期待も広がっています。
上場来最高値を更新した三菱重工(7011)はどんな企業?
世界的に防衛コストが増大化する流れから東京株式市場でも機関投資家とみられる大口買いが防衛関連株に流入しています。
防衛関連の大本命とも言われる三菱重工(7011)は3月7日時点での高値は2,597円と上場来最高値を更新。3月6日の売買代金は3700億円超ととてつもない額をこなし、注目度の高さがうかがえる結果となりました。

それでは、ここからは防衛関連の大本命と言われる三菱重工(7011)について、簡単に解説していきます。
三菱重工業は、日本を代表する総合重工業メーカーであり、航空宇宙、防衛、エネルギー、産業機械、船舶など幅広い分野で事業を展開しています。1870年に三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎が設立した造船業を起源とし、現在は三菱グループの中核企業の一つです。新幹線の車両製造や火力発電設備、航空機エンジンの開発など、国内外で重要なインフラや技術開発を担う企業として知られています。
三菱重工の防衛関連事業
1. 日本最大の防衛産業企業
三菱重工業は、日本の防衛産業において最も重要な企業の一つであり、防衛装備品の開発・製造を手掛ける国内最大の防衛関連メーカーです。政府の防衛政策に深く関わり、防衛省向けの主要な装備品を提供しています。公表資料によると、防衛装備庁との取引契約額は5年以上トップであり、2022年度は21.2%という圧倒的なシェアを誇ります。
2. 主な防衛関連製品
三菱重工業は、陸・海・空の各領域でさまざまな装備品を製造しています。
- 戦闘機
- F-2戦闘機
- F-15J戦闘機
- F-4EJ戦闘機
- ヘリコプタ
- SH-60K哨戒ヘリコプタ
- UH-60JA多用途ヘリコプタ
- UH-60J救難ヘリコプタ
- SH-60J対潜ヘリコプタ
- 特殊車両
- 10式戦車
- 16式機動戦闘車
- 11式装軌車回収車
- 重装輪回収車
- 艦艇・特殊機械
- 水上艦艇:もがみ
- 水上艦艇:あさひ
- 潜水艦救難艦:ちよだ
- 巡視船:みやこ
- 潜水艦:たいげい
- 潜水艦:おうりゅう
- 水中・艦載機器:12式魚雷
- 水中・艦載機器:07式垂直発射魚雷投射ロケット
- 水中・艦載機器:垂直発射装置 VLS MK41
- 水中・艦載機器:自走式デコイおよび発射装置
- 水中無人機:自律型水中航走式機雷探知機 OZZ-5
- 海中調査・観測用無人潜水装置 ROV
- エンジン
- ターボシャフトTS1エンジン
- ターボファンTFE731エンジン
- ターボジェットTJM3エンジン
- 航空機器
- SH/UH-60J トランスミッション
- SH/UH-60J ピッチトリム・アクチュエータ
- F-2アクチュエータ、フラッペコントロール
- F-2ドライブシステム、リーディングエッジフラップ
- 誘導機器
- 地対空誘導弾システム:地対空誘導弾システムペトリオット
- 空対空誘導弾:04式空対空誘導弾 AAM-5
- 空対鑑誘導弾:93式空対艦誘導弾 ASM-2
- 地対鑑誘導弾システム:12式地対艦誘導弾 12SSM
- サイバーセキュリティ
- 産業制御システム向けセキュリティ対策 / InteRSePT:インターセプト
3. 日本の防衛産業における役割
- 国内最大の防衛装備開発企業
日本政府の防衛装備開発の中核を担い、多くの主要装備品を開発・生産しています。特に、航空機・ミサイル・艦船分野では他の企業と比べても圧倒的なシェアを持ちます。 - 国産技術の維持・発展
三菱重工は、日本独自の防衛技術の維持・発展に貢献しており、次世代戦闘機「F-X」などの開発を主導するなど、国内の防衛技術基盤を支えています。 - 防衛省との密接な関係
防衛省の方針に基づき、新たな装備開発や改良を進めるため、日本の防衛政策において極めて重要なパートナーです。
4. 国際協力と輸出政策
- 国際共同開発の推進
近年、日本の防衛装備品の国際共同開発が進んでおり、三菱重工もイギリス・イタリアと次期戦闘機開発で協力するなど、海外企業との連携を深めています。 - 防衛装備移転の可能性
日本政府は「防衛装備移転三原則」に基づき、防衛装備の海外輸出を段階的に解禁しており、三菱重工も国際市場に向けた輸出の可能性を模索しています。
今後の株価予想:三菱重工(7011)はさらに上昇するのか?
上場来最高値を記録した三菱重工(7011)。
ここからは、三菱重工が今後どのような株価推移になっていくのか億トレが大胆予想していきます!

昨年12月5日に記録した2485円の高値を突破し、ついに上場来高値を更新。この力強い値動きは、短期的には買われすぎの水準に達しているという見方も出始めています。テクニカル面からも、一時的な調整局面が訪れる可能性が考えられますが、三菱重工を取り巻く環境は依然として極めて良好だと言えます。
特筆すべきは、防衛関連というテーマ性の強さが市場においてダントツであることです。世界的な地政学リスクの高まりや各国の防衛予算増額の流れを背景に、この分野への注目度は一段と高まっています。そのため、調整局面を待ち構えている投資家の買い意欲は相当なものであると予想されます。
押し目買いのターゲットとして市場参加者が意識しているのは、2400〜2450円のゾーンと予想されます。そこを抜けますと強い上昇トレンドに入ると見ています。
この水準では強い下値サポートが期待できるでしょう。さらに注目すべきは、上値を抑える要因が現時点では限定的であることです。企業の好調な業績見通しや政府の関連予算拡大方針などが追い風となり、上値余地は依然として大きいと言えます。
したがって、今後の展開としては、短期的な調整を経ながらも、中期的には右肩上がりの堅調なトレンドが継続する可能性が高いというのが億トレの予想となります。投資戦略としては、押し目局面を捉えたポジション構築を意識して立ち回ることをおすすめします!
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