本日の相場雑感
昨晩の米国市場は、FDA(米食品医薬品局)は午前に、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式承認した事で経済活動の正常化が進展するとの期待が高まり景気敏感株が買われる動き。
ワクチン普及の恩恵を受けやすいクルーズ船株や空運株もですが、主力ハイテク株も買われNYダウは上昇、終値35,335.71ドル、先週末比+215.63ドル。ナスダック総合指数も半導体関連株などが買われて14,942.65ポイント、先週末比+227.99ポイントと3日続伸となりました。
続落が続いていた原油も割り安感が強まり、8営業日ぶりに反発した事も好感される動きと言えますね。
日本株も米国市場の堅調な動き、昨日の強い流れを引き継ぐ動きとなり、寄り付きから買い優勢のスタート、全市場が強い上昇を見せましたが、アジア株高などを追い風に上げ幅を拡大して前場中ごろを過ぎると一時27817.89円と300円を超える場面もありましたが、引けにかけては利益確定売りや戻り売りを狙った動きもあり上げ幅を縮小。
業種で見ますと海運業、鉄鋼、空運業などのオールドエコノミーに再び資金が向かってきています。25日移動平均線を抜けたとはいえ、自律反発の域は抜け出せていませんので、まだまだ安心なラインではないという感じです。
この戻りがどこまで持続するのかという感じですが、海運株はバルチック海運指数の上昇もあり強い反発を見せていますが、モルガンが【9104】商船三井の目標株価を9100円から11300円としていますので、これも上昇に拍車をかけている動きですね。
直近の下落スピードが凄すぎて強気になれない投資家は多いとは思いますが、相場の急落を示すシグナルの一つ、ヒンデンブルグオーメンが点灯しているんですよね。
ヒンデンブルグオーメンとは
ヒンデンブルグオーメンとはテクニカル指標の一種で、米国株の暴落の前兆を表すシグナルです。下記条件を満たすと点灯するのですが↓
条件1:NYSE(ニューヨーク証券取引所)での高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
条件2:NYSE(ニューヨーク証券取引所)総合指数の値が50営業日前を上回っている
条件3:短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス
条件4:高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない
ヒンデンブルグオーメンが点灯すると1ヵ月ほどが下落警戒期間となりますが、このヒンデンブルグオーメンが点灯すると
・77%の確率で株価5%以上下落
・パニック売りの可能性41%
・重大なクラッシュの可能性24%
80%弱の確率で、30日以内に5%以上の下落局面の可能性があるという感じなのですが、精度が中々に高いのも特徴です。
インパクトの強いシグナルですが、これを見て売りを入れる、保有整理するという動きは実際にあります。まあ勿論点灯して下落もなく1か月すぎる事も多いですが、米国市場はイケイケで上昇していますし、ジャクソンホールでのパウエル議長の発言もありますので、確かにきな臭い感じはどうしても見え隠れしますね。
米国市場の下落は日本株も対岸の火事では済まない、投資家の誰もが分かっている事ではありますので、市場は日経平均株価、TOPIX、ジャスダック、マザーズと強い上昇となる期待の局面ですが、引き続き無理せず逆指値は浅めで取り組んでいくのが宜しいかと思います。
ですが、基本的に上目線ですので、急落するようならばそこは買い場という目線は変わらずです。
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現在の市場のテーマ
感染症対策関連銘柄
海運
鉄鋼
オンライン診療
中古車
半導体
脱炭素
再生可能エネルギー
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仮想通貨関連
アフターコロナ関連
明日の注目銘柄
・MRT(6034)
時価総額113億円と小型、マザーズ市場も底を打った動きがあり妙味あると言えます。時価総額からも上下の幅はありますが、チャートを見ると5日線がサポートラインとなって上昇しています。本日は高値2080円まで上昇しましたが引けにかけては利益確定売りがでて下落。オンライン診療はテーマとして今注目度は高く、上昇トレンドに入っている動きからも引き続き注目です。5日線割れ撤退。
・日本郵船(9101)
船株の最大手、PER2.46倍、PBR1.97倍、配当利回りは今の高い位置でも9%と驚異的な配当の銘柄です。先週は海運株に利益確定売りが出ている中で、トヨタショックも重なり大幅下落となりましたが、相場が上昇すればしっかりと反発しますね。5日線を超えて高値8000円まで値を戻す場面もありましたが、チャートは再び上昇していきそうな形となっていますね。
・アルペン(3028)
本日は上昇。好決算、増配を受けて株価は急伸していますが、信用売りも多く買戻しが入れば強い上昇トレンドに入る見込みも高いと言えます。高い位置でもみ合っていますが、上放れで追随買い、下放れで売りという感じですね。反発を見せましたが、の株価位置は鬼門のラインですね。3500円で撤退が宜しいかと思います。
・ティアンドエス(4055)
本日は上昇。9月上場が期待される超大型IPOのキオクシア関連の銘柄です。キオクシアグループ向けが売上高全体の約2割弱を占めています。PER69.62倍、PBR12.07倍と割高ではありますが上場が近づくにつれて同銘柄への期待は高まると予想しています。今日の上昇でチャートもいい形になってきていますね。4700円を超えれば強い上昇トレンド突入となります。
・IDOM(7599)
本日は下落。中古車大手ガリバーを運営、PER13.6倍、PBR2.09倍、時価総額1,027億円。中古車需要拡大から買い目線。貸借倍率0.85倍と空売りもかなり入っています。中古車需要の思惑からチャートは25日線で反発して上を目指す動きとなっています。25日線での推移ですが、明確に割り込んだら撤退ですかね。
・JMDC(4483)
本日は下落。遠隔診療関連、PER132倍、PBR14.02倍、時価総額3,841億円とマザーズ市場で寄与度がかなり高い銘柄です。昨日強い上昇となりましたが本日は反落。ですが上場来高値を更新を続ける青天井チャートです。現在はマザーズ市場ですが、今後プライム市場への条件も満たしています。5日線割れ撤退。
明日の空売り注目銘柄
・タムラ製作所(6768)
本日は反発。LINE会員限定で「増し担保解除で一吹きあっても信用買い残が多いと帰って戻り売りの急所となりますのでその点は頭に入れましょう」と配信してから25日線を割り込み売りが加速しています。業績微妙で、まだ高い位置と言えますので売り継続です。撤退は75日線を終値で上抜けたらと見ていましたが、上髭つけての動きからももう少し見ます。
・トヨタ関連銘柄
自動車関連は本日は反発、売られすぎからデンソー(6902)、愛三工業(7283)、IJTT(7315)などトヨタ関連の企業は幅広く買い戻されましたね。とりあえず全部5日線撤退としましたが、逆指値刺さってしまいました。次は25日線あたりで売りを入れるという感じですかね。