雇用統計感想、相場雑感
昨晩の米国雇用統計ですが、結果だけでいえば、かなり良かった内容となっていますね。
7月米雇用統計結果ですが、非農業部門雇用者数は市場予想87万人増が結果は94,3万人増、失業率は市場予想は5.7%が結果は5.4%と低下しています。
新型コロナウイルスのデルタ株が感染不安はある中ですが、前月の93.8万人に続く伸びとなり、7月の雇用者数は今年最大となっています。
幅広い業種の賃金上昇、雇用の改善は市場予想を大きく上回った事で、景気回復への期待が高まりNYダウは7月26日の高値を超えて終値3万5208ドル、前日比+144ドルと過去最高値を更新。S&P500は小幅高ながら最高値更新。
米雇用統計を受けて米国債利回りが上昇となった事で、銀行株中心に循環株が買われましたが、主力ハイテク株が売られた事でナスダック総合指数は反落となっています。ナスダック総合指数は先に4連騰して過去最高値更新していましたので利益確定売りはでたという感じですね。
ただこの雇用統計の内容は、FRBが量的緩和縮小(テーパリング)の議論となる内容とも言えます。
現時点では2023年から利上げ開始の予定を年内のFOMCで正式に決定するとの事ですが雇用が急改善すると、量的緩和縮小(テーパリング)のペースが早くなるという懸念がでますので、投資家にとっては何とももどかしいものではありますね。
今回の雇用改善からも長期金利も上昇していくと思いますので、ハイテク株に代表されるグロース株は一般に、PERが高いものが多いですし金利上昇局面では、PERが高い株は金利と比較した益回りの低さから、相対的な投資魅力が低下し、売られやすくなりますのでそういった面を考えても、今後はグロース株よりバリュー株が優勢になっていくと見ています。
新型コロナウイルスの変異種デルタ株の感染拡大の懸念がありますので、早期量的緩和縮小(テーパリング)に動くとは思えませんが、今後のFRBパウエル議長の発言は注目が集まりますね。
日本株にとっても米雇用統計を受けてNYダウが上昇したのは素直に好感されそうですし、米国はS&P500企業のうち427社が発表を終え、87.6%が予想を上回る利益を計上し、過去最高を記録しているんですよね。
日本株も感染者拡大の懸念はありますが、決算シーズンは概ね良好な内容が多く上方修正をする企業が多数。大きく出遅れている日本株も来週のSQ通過からは上昇しやすい条件が整いますので期待したいですね。
週明けの注目銘柄
日々注目銘柄を記載していますが、今回は新規で注目している銘柄を記載します。
・新電元工業(6844)
東証1部上場、時価総額490億円、PER8.4倍、PBR0.95倍、パワー半導体、通信用電源、太陽光発電用電源、パワコン、2輪車用電装品、を展開しています。
同社のポイントとしては、創業以来培ってきた半導体技術、回路技術、実装技術を融合し消費電力を削減する高効率デバイスを提供していますが、高効率・高電力密度が求められる電力変換/制御システムの実現が可能な次世代パワーデバイスGaNを搭載したパワーモジュールの開発しています。
投資家の注目テーマ「パワー半導体、太陽光発電」とテーマ性も高く5日に発表した決算は、2022年3月期営業損益予想を41億円黒字から59億円黒字に増額、前期の10億8,000万円赤字から大幅に改善しています。
自動車や産業機器市場向け半導体需要が堅調に推移、東南アジアで、二輪向けがかなり好調を見込んでいます。東海東京は同社に対して格付けを強気とし目標株価は5300円としています。PER、PBRの割安面もですがチャートはもみ合いから上放れとなりましたので、年初来高値更新も視野に入っています。
株式投資はリスクが伴いますので、投資は自己判断でお願い致します