先週末の米国市場は、中国GDPが市場予想を下回っての懸念はありましたが、ニューヨーク連銀が発表した7月の製造業景況指数はプラス1.1と市場予想(0.0前後)を上回ったことから景気減速懸念が後退となりました。
同指標は個別指数では新規受注が小幅に改善でしたが、価格指数の低下が目立ち、ディスインフレ(インフレ沈静化)の基調を示したとの見方から買いが入り、このところ堅調なハイテク株おしっかりの展開、NYダウは終値34,585.35ドル、先週末比+76.32ドル、ナスダック総合指数は終値14,244.95ポイント、先週末比+131.25ポイントとなりました。
米国市場の動きを筆者はこう見る!
米インフレ鈍化を好感してというのはありますが、個人的には決算シーズン前でNYダウは6日続伸ですので、ちょっと買われすぎな動きとなっている感じはあります。今週は金融大手のバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなどの金融株、そして投資家人気の高いテスラの決算発表がありますのでコケると一気に売りが出るというのは懸念しておくべきと言えます。
そして中国景気への懸念が再燃となる不安要素で、過去に世界の相場の懸念となった中国恒大の決算が22年12月期の負債総額は約2兆4300億元(約47兆円)に達し、債務超過に転落しています。
中国でマンション価格が再び下落しているというのもありますが不動産市場の不振というのは「中国バブル」の崩壊という懸念につながりますし「中国恒大」の業績はあの「恒大ショック」の時でも倒産の可能性が非常に高い状態でしたので、この業績も頷けますが、ちょっと不動産の崩壊=バブル崩壊という捉え方がされやすいだけに注意が必要でしょう。
連休明けの日本株は一進一退の動き!
本日の日本株は連休明け、米国市場の上昇もあり寄付きから買い優勢のスタートとなりました。日経平均株価は一時300円を超える上昇となりましたが、32500円を超える水準では利益確定売りが強く上値は抑えられ、円高進行や3連休前からも積極的な売買も手控えられました。後場にかけ一進一退状態が続き売り圧力に押されマイナス圏に沈む場面もありましたが、引けにかけて値をを戻し日経平均株価は終値32,493.89円、先週末比+102.63円、TOPIXは終値2,252.28ポイント、先週末比+13.18ポイントとなりました。
スタンダード市場は、値上がり759銘柄、値下がり488銘柄、東証グロース市場は、値上がり銘柄数238、値下がり273銘柄となりました。
日本株の動きを筆者はこう見る!
米国もですが国内でも決算シーズンとなっていますが、値がさのファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)が重たい動きとなっていましたが、レーザーテック(6920)など半導体株は買われてしっかりの動きとなりましたが、日経平均株価のチャートを見ましても上下のヒゲが長く、投資家の気迷いを示唆する形となっています。
日経平均株価は、6日に4月10日以来60営業日ぶりに25日移動平均線(以下MA)を割り込み、底値模索状態になっていましたが、12日の3万2,000円割れをボトムに切り返し、13日には前日比475円高と反発となっておりダブルボトム型のチャートを形成していますが、売り圧力も強い相場ですので32,000円をこのままキープできるかというところはあります。
騰落レシオは過熱感はありませんが、空売り比率も42.5となっています。ここから決算シーズンは綱引き要素が強くなり動きが荒くなりますので無理せずに取り組んでいきましょう。
本日の注目銘柄ですが、好決算や材料発表でここからも期待ができそうな「防災関連」の2銘柄を記載します。
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億トレサラリーマンの注目銘柄 オオバ(9765)
東証プライム上場、PER11.5倍、PBR1.25倍、利回り4.12%、時価総額142億円
建設コンサルタントの中堅。1922年に鉱山鉄道、港湾などの測量を目的に創業。調査・測量業務から環境・都市計画、さらに道路・構造設計部門や上下水道部門など詳細設計全般を手がける。環境に配慮した街づくり、区画整理手法等による市街地整備・都市再生業務も展開する企業です。
同社のテーマですが「復興関連」「公共投資関連」「国土強靱化」「PFI」「電線地中化」 「含み資産 「測量」「水害対策」「環境関連」「建設コンサルタント」に該当します。
同社のポジティブ内容ですが、24年5月期の営業利益は、前期比5%増の18億円の見通しと発表して、前の期比8.3%増の17億1,400万円で着地した前期に続いて増益となると発表、年間配当予想も前期比10円増の34円(前期24円)を予定しています。
防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応といった公共投資が引き続き堅調となっています。国土強靭化や防災・減災関連業務、防衛土木業務等、官庁需要の増加が見込まれるほか、民間需要も伸びる等好調な受注環境を予想していますが、昨今の国内の防災意識の高まりを考えても同社の需要は伸びていく見込みは高そうです。
億トレサラリーマンの注目銘柄 TONE(5967)
東証スタンダード上場、PER12.6倍、PBR1.29倍、利回り1.9%、時価総額126億円
1925年前田軍治氏が大阪で欧米製機械工具の輸入商社を創業し、その機械工具製造部門を母体に1938年株式会社設立、2013年11月に現在のTONEに社名変更、ソケットレンチなどの業務用作業工具や、国内外でシェアトップクラスの鉄骨建築用シャーレンチなどボルト締結機器を製造・販売する企業です。
販売先は産業機器、自動車、輸送、道路、建設、通信設備など幅広い。東アジア(韓国、中国、台湾)、米国などに輸出しており、ベトナム、台湾に海外製造拠点を持っています。
同社のポジティブ内容ですが、発行済み株式総数の3.43%に当たる40万株、3億円を上限とする自己株取得を決議したと発表しております(取得期間は7月14日から2024年5月31日迄)。
業績面でも24年5月期の営業利益は、前期比19%増の14億5,000万円の見通しとも発表しました。前の期比24%増の12億2,200万円で上振れ着地した前期に続く増益で、収益拡大期待の資金が流入したようです。
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