来週の相場展望と注目銘柄【4884】クリングルファーマ

来週もロシア侵攻で相場は一喜一憂か！来週の相場展望

週末の米国市場は、まず米2月雇用統計がありましたが、非農業部門の雇用者数は前月比67万8000人増と市場予想（44万人程度の増加）、平均時給の伸び率は前月から鈍化、失業率は３．８％と、２０２０年２月以来の水準に改善されました。

これを見ても米経済は急速に立ち直っているという感じですね。良くて当たり前と最近は見られている雇用統計ですが、FRBによる利上げも織り込まれていますので、雇用統計を受けての市場の反応は限定的といった感じでした。

ですが、やはり今の株価の動きの焦点は、ロシアのウクライナ侵攻ですからね。

ロシア軍がザポロジエ原発を制圧と激しさが増していますが、欧米の経済制裁がさらに強まる可能性からも紛争が長期化して世界経済を下押しするとの懸念が一段と強まりリスク回避優勢の売りが出て、NYダウは終値33614.80ドル、前日比-179.86ドル、ナスダック総合指数は終値13,313.43ポイント、前日比-224.50ポイントとなりました。

ロシア制裁を嫌気して景気敏感株、消費関連株が下落してディフェンシブ株が買われていましたが、引け後にロシアに対してクレジットカードの最大手のビザ、マスターカードと1位、2位のクレジットカード会社が停止すると発表しています。

ただでさえルーブルの価値がなくなって、SWIFTのロシアの主要銀行排除の影響がある中ですので、電子マネー系が使えなくなるとなると…ロシア国民はかなりきつい状況になりますね。

米国のアップル、ナイキ、マイクロソフト、そしてビザ、マスターカードと相次いで主力企業がロシアからの撤退を表明しています。ロシアは原油、天然ガスなど資源で財政の5割占めているとはいえ、ここからが本格的な兵糧攻めという感じになりそうですので、やはり経済への不安はついて回りますね。

今後のロシア侵攻ですが、ロシア国防省は人道的な避難用回廊設置のため、ウクライナ南部マリウポリとヴォルノヴァハの2都市で一時停戦を開始すると発表しましたが、ロシア軍が停戦合意を順守していない事からこれを退避を延期していますが、退避後にロシア軍は最強の部隊が一気に制圧に乗り出すと言われています。停戦交渉に具体的な進展などあれば別ですが、来週も軍事侵攻から不安定な環境は続くと見ていいですね。

来週の日経平均株価の予想レンジは2万5150円～2万6900円を予想します。

日経平均株価ですが、3月メジャーSQ週で、この地政学リスクからもかなり荒れやすい相場になると言えます。

メジャーSQのみならず、イベントとしては、10日に欧州中央銀行（ＥＣＢ）定例理事会もありますし、長期金利の指標とされる２月の米国消費者物価指数（ＣＰＩ）もあります。好感される内容だったとしても根っこでは地政学リスクという懸念がありますので、かなりボラの大きい相場となる可能性があります。

良くSQ週の水曜日は荒れやすいとは言いますが、指標もですが、原油価格や天然ガス、小麦など様々な商品がインフレしていますし、売り方が優勢な相場と言えますので注意して取り組んでいきましょう。

引き続き底堅く推移しそうな業種としては、海運もですが、ロシアの攻撃で欧州を中心に原発の安全性に対する不安が再燃から化石燃料へのエネルギー依存が高まるという観点からも需要からも買われる公算が高いと見ています。

海運は下手に小型触るよりも【9101】日本郵船、【9104】商船三井といったところですかね。エネルギー関連では【1518】三井松島や【1605】INPEX辺りがやはり強いと見ます。

地政学リスクの高まりから防衛関連の【7011】三菱重工が綺麗なチャートをしていますが、まだ買われていきそうですね。バイオ関連では【4592】サンバイオも決算を来週控えていますが、SB623への承認申請の期待も入り面白い動きとなると見ています。

明日の注目銘柄

日々注目銘柄を記載していますが、今回は新規で注目している銘柄を記載します。

・クリングルファーマ(4884)

東証マザーズ、PER---倍、PBR1.32倍、利回り---％、時価総額33.5億円。

HGFタンパク質を用いた症例数の少ない難治性疾患治療薬開発する大阪大学発のバイオベンチャー。

HGFは細胞の増殖や保護、血管新生などを促します。細胞を安定的に増殖させ、HGFを高発現させる培養工程など量産体制の構築が難しい一面がありますが、同社は「HGF製剤」と「神経疾患の治療に適したHGF製剤」で、日本、米国等で特許を取得していることが強みです。

現在、自社開発の脊髄損傷急性期向けは国内3相まで進展しており、ほかにALS（筋萎縮性側索硬化症）や声帯瘢痕などに注力しています。

赤字バイオ、時価総額33億円と一見してただのギャンブル銘柄という感じに見えますが、チャートを見てもわかる通り大底からのリバウンドを見せています。投資ファンドのバークレイズ・バンク・ピーエルシーのワラントが499,500株あり定期的に売り玉が出ては来ますが、環境の悪い中でもジリジリと上昇して700円を突破してきていますが、1月24日の762円を抜ければ、一気に上に抜ける可能性もあります。

22年前半にHGFタンパク質ALS地検の第2相も終了予定となっています。後半にも脊髄損傷急性期の治験結果とあり、今後の思惑も動きやすい銘柄と言えます。

環境不安でバイオ関連も人気化していますので、注目しておくべき銘柄と位置付けています。

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