こんにちは、億トレサラリーマンです。
スーパーのレジ待ちやエレベーターの順番待ちをするシニア世代、高齢者マークを付けて走る自動車、何気なく送る日常生活で少し意識して見てみると高齢者の多さに驚いてしまいます。これらは私たちの身の回りで確実に進行している「高齢化社会」の縮図だとも言えます。
実は、2024年の日本の65歳以上の人口は3,677万人と前年比2万人増加し、全人口の29.1%にまで達しています。ざっと3人に1人が65歳以上という状況は、先進国のなかでも群を抜いて高齢化が進行していると言えるでしょう。
しかし、投資家目線に視点を切り替えてみると、この高齢化というメガトレンドは、長期的な投資テーマとして目が離せないもの。それもそのはず、高齢化関連ビジネスは、景気の波に左右されにくく、今後もさらなる成長が見込まれるテーマだからです。
今回の記事では、高齢化社会進行を受けて具体的にどのような業種や銘柄に注目するべきか。高齢化関連銘柄の一覧や本名株・出遅れ株などについて詳しくお話ししていこうと思います。
日本の高齢化問題
統計で見る日本の高齢化の現状
数字で見ると、日本の高齢化の実態は一目瞭然です。2024年現在、日本の65歳以上人口は総人口の29.1%を占め、これは世界でトップの高齢化率となっています。実に3,677万人もの高齢者が日本で暮らしているんです。
さらに注目すべきは、高齢化の進行スピードです。1970年に高齢化率7%を超えて「高齢化社会」に入ってから、わずか24年後の1994年には14%を超える「高齢社会」となりました。そして2007年には21%を超え、「超高齢社会」へと突入しています。この変化の速さは、他の先進国と比較しても群を抜いています。
次に、年齢層別の人口構成を見てみましょう。
- 75歳以上の後期高齢者:1,940万人(15.4%/総人口あたり)
- 65-74歳の前期高齢者:1,737万人(13.7%/総人口あたり)
- 15-64歳の生産年齢人口:7,447万人(59.0%/総人口あたり)
- 14歳以下の年少人口:1,493万人(11.9%/総人口あたり)
特に注目すべきは、後期高齢者の増加速度です。2025年には団塊の世代が75歳以上となり、後期高齢者の人口は2,200万人を超えると予測されています。
また、高齢者世帯の状況も大きく変化しています。
2023年の統計では、
- 高齢者単身世帯:約750万世帯
- 高齢者夫婦のみ世帯:約690万世帯
- 全世帯に占める高齢者世帯の割合:約30%
とんでもない統計データですよね。
日本中どこを見渡しても高齢者だらけ、まさに超高齢化社会なんです。
2030年問題とは?待ち受ける3つの課題
2030年問題とは、団塊ジュニア世代(1971年〜1974年生まれ)が60代に突入し、親である団塊世代(1947年〜1949年生まれ)が80代になることで、日本社会が直面する様々な課題を指します。具体的に、以下の3つの重要な課題に直面すると予測されています。
課題その1:介護の担い手不足
2030年には、要介護者数が約740万人に達すると推計されています。一方で、生産年齢人口は現在より約500万人減少し、深刻な介護人材不足に陥ると予測されています。政府は2022年2月に介護職の賃上げを宣言しましたが、正直体力的にも精神的にも決して楽な仕事ではないですし、月5000〜10000円ほどの賃上げで働き手が集まるはずがないんですよね、、、
こうなってくるといわゆる「老老介護」であったり「認認介護」というケースが普通になってきますし、日本にとっては介護の担い手不足がかなり大きな課題となってきそうです。
課題その2:社会保障費の急増
2030年度の社会保障費は、現在の約130兆円から約190兆円に膨らむと見込まれています。これは、現役世代一人当たりの負担額が、月額約13万円から約20万円に増加することを意味します。
ただでさえ賃金がなかなか上がらないなか、物価が高騰していたり、増税に次ぐ増税で生活すら苦戦している現役世代にこの負担額はあまりにも無理難題ですよね。政府は本当にどうするつもりなんでしょうか、、、
課題その3:地域社会の変容
2030年には、65歳以上の高齢者単身世帯が約750万世帯に達すると予測されています。特に、地方都市では深刻な問題と考えられています。
たとえば、高齢者が歩いて買い物できる距離にお店がなくなり、いわゆる「買い物難民」が増加していますよね。特に自動車がないと生活が難しい地方ではこの問題が顕著で、高齢者による自動車事故と免許返納に関する問題は避けては通れないですよね。
しかし、これらの課題は、ビジネス目線で見ると大きなチャンスでもありますよね!
介護人材の確保が難しいのであれば、介護機器やロボットなどの需要増加が考えられるし、地域社会の変容の課題に対しては、宅配サービスやライドシェアなどと色々な高齢化ビジネスが活況となる未来が予測できます。
諸外国と比較した日本の高齢化の特徴
日本の高齢化の特徴は、「世界一のスピード」と「世界一の高齢化率」という2つのキーワードで表されます。いかに日本が特殊なのかを見てみましょう。
突出した高齢化率
2024年の高齢化率を主要国で比較してみると、日本29.1%、イタリア23.5%、ドイツ22.9%、フランス21.2%、イギリス19.3%、アメリカ17.3%、中国14.2%と他国を大きく引き離して世界一の高齢率となっています。
高齢化進行のスピード
高齢化率が7%から14%まで上昇するまでの年数を比較してみると、日本24年、ドイツ40年、イギリス46年、アメリカ72年、スウェーデン85年、フランス126年と欧米諸国が長い年数をかけて高齢化に対応してきたのに対し、日本はわずか24年という短期間で高齢化に対する対応を迫られているんです。
高齢化で需要の高まる業種
医療・介護業界
高齢化の進行に伴い、医療・介護業界の需要が急増している背景には、具体的な統計とリアルな事例があります。
まず、75歳以上の後期高齢者は、65-74歳の前期高齢者と比べて医療費が約3倍、介護費が約5倍かかるというデータがあります。2025年には団塊世代が全て後期高齢者となり、医療・介護需要は急激に高まると予測されています。
具体的なケースを見てみましょう。83歳のAさんの例です。数年前までは元気に自立した生活を送っていましたが、最近では、
- 定期的な通院(高血圧・糖尿病):月2回
- デイサービス利用:週3回
- 訪問介護:週2回
- 投薬管理:毎日
このように、一人の高齢者に対して複数の医療・介護サービスが必要となります。さらに、認知症の増加も大きな要因です。2025年には認知症高齢者が約700万人に達すると予測され、専門的なケアの需要が更に高まることが予想されています。
このような背景から、医療・介護業界は今後も安定した成長が期待できる分野といえるでしょう。
高齢者向け住宅・施設関連業界
高齢者向け住宅・施設関連業界の需要急増は、日本の世帯構造の劇的な変化が背景にあります。
2024年の統計では、高齢者単身世帯が約750万世帯となり、今後飛躍的に増加すると予測されています。また、高齢者夫婦のみの世帯も約690万世帯に上り、これらの方々の住まいニーズは従来の持ち家とは大きく異なってきています。
- 郊外の一戸建てに住んでいたが、庭の手入れや家のメンテナンスが負担に
- 階段の上り下りが困難になってきた
- 近くに病院やスーパーがなく、車の運転に不安を感じ始めた
このような状況から、駅前のサービス付き高齢者向け住宅への住み替えが必要不可欠になってきます。
さらに、介護が必要になった場合の選択肢として
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- 特別養護老人ホーム など、様々な施設の需要も高まっています。
このように、高齢者の多様な住まいニーズに応える住宅・施設関連業界は、今後さらなる成長が期待できる分野といえるでしょう。
介護機器・ロボット業界
介護機器・ロボット産業の急成長には、「人手不足」と「技術革新」という2つの大きな推進力があります。
まず、深刻な介護人材不足の現状を見てみましょう。2024年時点で約38万人の介護職員が不足しており、2040年には約69万人の不足が予測されています。この人材ギャップを埋めるソリューションとして、介護機器やロボットの需要が高まっています。
具体的な活用シーンを見てみましょう。
- 移乗介助ロボット:85kgの利用者を一人の介護士で安全に移動可能に
- 見守りセンサー:夜間の巡回業務を効率化し、職員の負担を軽減
- 排泄予測デバイス:適切なタイミングでのケアを可能に
- コミュニケーションロボット:認知症予防や話し相手として活躍
特に注目すべきは、介護ロボット導入施設への補助金制度が拡充され、導入コストの最大90%が補助される点です。政策的な後押しも、市場拡大の追い風となっています。
このように、介護現場の課題を解決する介護機器・ロボット産業は、今後急速な成長が期待できる分野といえるでしょう。
シニア向けサービス業界
シニア向けサービス業界といってもかなり広い意味合いになってしまうのですが、高齢化社会が進行するにつれて様々なシニア向けサービスへの需要の高まりが予想されます。
介護、医療、住居の提供などは先述したとおりで、他には身体的・精神的ケアを必要とする人々への支援は重要性を増しています。健康維持や生活の質向上を目的としたフィットネス、栄養指導、趣味活動の提供も、シニア世代のニーズに応えるために求められています。さらに、シニア世代は経験や資産を有することが多く、高品質で特化したサービスを求める傾向があり、それが業界の多様化を促進しています。
また、IT技術の進化により、シニア世代に特化したデジタルサービスやリモートケアの需要も拡大しています。これらの背景から、シニア向けサービス業界は今後も社会のニーズに応える重要な役割を果たし続けると考えられます。
高齢化関連銘柄 一覧まとめ
というわけで、そろそろ本題の高齢化関連銘柄についてです。
まずは高齢化関連銘柄を一覧にしましたのでご覧ください。
コード | 銘柄名 | 概要 |
---|---|---|
160A | アズパートナーズ | 介護付有料老人ホーム、デイサービス、ショートステイサービスの提供などを手掛ける |
2175 | エス・エム・エス | 介護・医療業界向け人材紹介。事業・経営支援や資格情報事業も展開 |
2344 | 平安レイサービス | 冠婚葬祭サービス大手。地盤の神奈川で首位級。葬祭事業のFC展開も |
2373 | ケア21 | 総合福祉企業。関西地盤に介護施設・サービス展開。訪問型が主力 |
2374 | セントケア・ホールディング | 訪問介護事業が主体。入浴、看護、定期巡回等 |
2393 | 日本ケアサプライ | 福祉用具レンタル卸大手。物販サイト、在宅介護サービスも |
2415 | ヒューマンホールディングス | スクール運営など教育事業、人材派遣、介護事業へ展開 |
2425 | ケアサービス | 通所介護施設運営が主力。葬儀準備事業、高齢者専用賃貸住宅 |
2435 | シダー | 介護サービス中堅。有料老人ホームと両輪。リハビリに特色。九州から全国展開 |
2462 | ライク | 保育園など子育て支援事業を主に総合人材派遣サービスや介護関連サービス |
2485 | ティア | 名古屋から関東・関西展開の葬儀社 |
3360 | シップヘルスケアホールディングス | 医療機器・設備一括販売。老人ホーム運営も |
3444 | 菊池製作所 | 作業補助ロボット「マッスルスーツ」に注力 |
3498 | 霞ヶ関キャピタル | 超高齢社会における新規ヘルスケア施設の開発 |
4418 | JDSC | AIを活用したフレイルリスク検知サービスの提供 |
4452 | 花王 | 家庭用品の総合企業。高齢者向け商品多数 |
4681 | リゾートトラスト | 会員制リゾートホテル首位。高級ホテルなど全国展開。健康診断も兼営 |
4801 | セントラルスポーツ | 会員制フィットネスクラブ運営。介護予防事業を本格化 |
6060 | こころネット | 福島県地盤の冠婚葬祭事業。高齢者向け住宅も |
6197 | ソラスト | 医療事務受託の大手。人材派遣、介護・保育事業も展開 |
6479 | ミネベアミツミ | 総合精密部品メーカー。見守りベッドセンサーシステム提供 |
7040 | サン・ライフホールディング | 冠婚葬祭大手。介護事業も |
7061 | 日本ホスピスホールディングス | 終末期ケアのホスピス住宅や訪問看護、在宅介護を展開 |
7071 | アンビスホールディングス | 住宅型有料老人ホーム「医心館」施設内の訪問介護など終末期医療も提供 |
7074 | トゥエンティーフォーセブン | パーソナルトレーニングジム「24/7 Workout」運営 |
7129 | ミアヘルサホールディングス | 東京、神奈川を中心に調剤薬局や保育園、介護施設の運営 |
7182 | ゆうちょ銀行 | 年金配達サービス、郵便局みまもりサービスなど |
7752 | リコー | 介護現場の生産性向上を目的としたICTサービスなど |
7779 | CYBERDYNE | 装着型のロボットスーツ「HAL」を開発 |
7792 | コラントッテ | 家庭用磁気治療器など医療機器やヘルスケア商品製造・販売 |
7817 | パラマウントベッドホールディングス | 医療・介護用ベッド最大手。施設向けに強み |
7840 | フランスベッドホールディングス | ベッド大手。介護福祉事業など高齢者市場に注力 |
8113 | ユニ・チャーム | 衛生用品大手。生理用品、紙おむつで首位 |
8157 | 都築電気 | 介護施設向けソリューションなどを提供 |
8630 | SOMPOホールディングス | 損保3強の一角。海外、介護・ヘルスケアを拡大 |
9237 | 笑美面 | 高齢者などに対するシニアホームの紹介サービスを手掛ける |
まずは、億トレが注目している高齢化社会に関連性の高い銘柄をざっと一覧にしました。
大きな社会問題となっている「高齢化」というテーマ。今後どんどん深刻化していく課題に対して色々な企業が高齢化関連ビジネスに注力していくことが予想されます。いまのうちからしっかりチェックしておきましょう!
高齢化関連銘柄/本命株・出遅れ株
アズパートナーズ(160A)/高齢化関連本命・出遅れ
アズパートナーズ(160A)は、シニア事業(介護付き有料老人ホームやデイサービス、ショートステイサービスなど)および不動産事業(介護付きホームなどの不動産開発など)を手がける企業です。2024年4月4日に東証スタンダードに上場、公開価格1,920円のところ初値2,923円をつけましたがその後は一旦調整含みで現在は公開価格割れの水準で推移しています。
かなり割安水準かつ時価総額も60億程度と小さいので値動き軽く、キャピタルゲインを狙いやすい銘柄だということで選出しました。
エス・エム・エス(2175)/高齢化関連本命・出遅れ
エス・エム・エス(2175)は、看護師や介護士などの人材紹介業を主力とする企業です。
現在は上半期減益決算を嫌気される格好で調整局面といったところですが、深刻な介護士不足が問題となっているいま、同社の事業モデルはまさに高齢化関連のど真ん中といったところでしょう。
日本ケアサプライ(2393)/高齢化関連本命
日本ケアサプライ(2393)は、福祉用具のレンタルサービス「グリーンケア」を展開している企業です。
介護保険制度などを利用すれば、1割程度の自己負担でレンタルすることができるのもユーザー的には嬉しいですよね。億トレは結構本命なんじゃないかと思ってます!株価的にもボックス相場から上放れる前に買っておきたい感じです。
JDSC(4418)/高齢化関連本命・出遅れ
JDSC(4418)は、AIとデータサイエンスでヘルスケア課題の解決のためのソリューションを提供する企業です。
ライフラインデータを活用したフレイル検知がメインで、フレイル予防改善モデルの構築および社会実装を目指す「フレイル対策コンソーシアム」にも参加しています。
この銘柄も結構本命かななんて思っています。株価も買いやすい水準ですし、小型で値動きしやすい傾向にあるのでいいかも!
都築電気(8157)/高齢化関連本命
都築電気(8157)は、さまざまなシステムやソフトウェアを提供するソリューション企業です。
介護事業者向けの支援システム「HOPE/WINCARE-ES」や福祉業務支援ソフトウェア「ほのぼの」などソリューションを提供しており、介護・福祉業界の深刻化する人手不足解消に一役買う、まさに高齢化関連銘柄の本命株と言えるでしょう。
中長期的な堅調なトレンドを形成していることもあり、出遅れとは言い難いですが、まさに本命って感じの底堅い値動きです。
まとめ
今回の記事では「高齢化」というテーマで、日本が置かれている高齢化の現状やその他主要国との違い、高齢化社会が抱える今後の課題、そして高齢化関連の注目株一覧、本命株、出遅れ株などについて解説しました。
改めてデータでみてみると、「高齢化」問題は日本の一番大きな課題なんじゃないかと言えるほど深刻で、色々な方面からこの課題を緩和、解決するような措置や技術が必要だと感じたのではないでしょうか。少なくとも私はかなり真剣にこの問題について考えてしまいます。
高齢化問題は日本全体でどうにか対応していかないといけない問題であり、政府がどのような措置を取ってくるかというのにも注目しておきたいですし、国策といってもいいような大きなテーマだと思います。高齢化関連というメガトレンドに乗り遅れのないよう、しっかりとテーマ周辺をチェックしておきましょう!
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