こんにちは、億トレサラリーマンです。
みなさんは「量子コンピューター」ってご存知ですか?
ざっくりいうととんでもなく計算が早いコンピューターのことなんですが、実はこの量子コンピューターっていう概念自体は1982年アメリカの物理学者リチャード・ファインマン氏によって提唱されているんです。実際に実用レベルで開発が進んで話題になってきたのはここ10年かそこらなんですけど。
量子コンピューターが本格的に実用化されるのは2030年ごろと言われていて、実用化されることでとてつもなく膨大な量の計算が必要な分野での活躍が期待されています。2030年ってすごく先に感じるけど実はあと5年くらい、もうすぐそこなんです。
今回は、世界の研究機関や企業で開発が進む次世代コンピューターの「量子コンピューター」に関するお話をしていきたいと思います。
もちろん量子コンピューター関連の注目銘柄一覧や本名株を中心に解説していきます。
量子コンピューターとは
量子コンピューターってなに?
量子コンピューターは、量子力学の不思議な性質を利用した次世代の革新的なコンピューターです。
従来のコンピューターが「0」か「1」のビットで情報を処理するのに対し、量子コンピューターは量子ビットを使用し、「0」と「1」の重ね合わせ状態で計算を行うことができます。たとえば、1枚のコインがあるとして従来のコンピューターはコインが机においてある状態の表か裏かのように、0か1のどちらかの状態しか取れないのに対し、量子コンピューターは「コインが空中で回転している状態」のように、0と1が同時に存在できる状態で計算を行うことができるイメージです。
量子コンピューターの仕組みと性質
量子コンピューターの心臓部となるのは量子ビットです。これは原子や電子、光子などの量子状態を利用して情報を保持します。量子の重ね合わせ状態により、従来のコンピューターでは不可能な並列計算が可能となり、特定の問題において圧倒的な処理速度を実現できます。
例えば、4桁の暗証番号を総当たりで解こうとする場合を考えてみましょう。従来のコンピューターでは0000から9999まで一つずつ順番に試す必要がありますが、量子コンピューターは全ての組み合わせを同時に試すことができます。これは、量子ビットが0と1の状態を同時に持てる「重ね合わせ」という特殊な性質を持つためです。
量子コンピューターに期待される応用分野
量子コンピューターが特に威力を発揮すると期待される分野はなんでしょうか。その一例を挙げてみましょう。
創薬分野での活用
新薬を開発する際に、タンパク質の折りたたみシミュレーションが重要です。従来のスーパーコンピューターでは数年かかる計算も、量子コンピューターなら数時間で終わる可能性があります。例えば、新型ウイルスに対するワクチン開発のスピードを大幅に向上させることができます。
気象予想分野での活用
気象予測には膨大な気象データの処理が必要です。量子コンピューターを使用すれば、より正確な天気予報や、台風の進路予測、地震時の余震や津波などの予測が迅速にできるようになるかもしれません。
交通分野での活用
都市や地方の交通渋滞の解消のため、リアルタイムで最適な交通制御を行うことも量子コンピューターなら可能になります。たとえば、数千台の配送トラックの最適ルートを瞬時に計算するなんてことも可能になります。
量子コンピューターの課題
量子コンピューターは革新的で大きな可能性を秘めた最新技術ですが、実用化に向けては多くの課題が存在することもまた事実。その一例を簡単に説明します。
デコヒーレンスの問題
最も深刻な課題の一つが「デコヒーレンス」と呼ばれる現象です。量子状態は非常に壊れやすく、わずかな熱や振動、電磁波などの外部からの影響で量子の重ね合わせ状態が崩れてしまいます。これを防ぐために、現在の量子コンピューターは絶対零度近く(マイナス273度付近)まで冷却する必要があり、大規模な冷却装置が必要となります。
エラー訂正の必要性
従来のコンピューターにも誤作動はありますが、量子コンピューターではエラーの発生頻度が格段に高くなります。量子ビットは非常に不安定で、計算途中でエラーが発生しやすいため、それを検出して訂正する技術が必須です。しかし、量子状態を観測すると状態が変化してしまうという量子力学の原理により、エラー訂正は極めて困難な課題となっています。
スケーラビリティの問題
現在の量子コンピューターは、数十~数百個の量子ビットしか扱えません。実用的な計算を行うためには、数千から数百万の量子ビットが必要とされています。しかし、量子ビットの数を増やすほど、上記のデコヒーレンスやエラーの問題が深刻化し、制御も難しくなります。
量子プログラムの複雑さ
量子コンピューターのプログラミングには、量子力学の深い理解が必要です。従来のプログラミング言語やアルゴリズムをそのまま使うことはできず、量子コンピューター特有のアルゴリズムを開発する必要があります。また、量子プログラミングを習得できる人材も現状では限られています。
コストの問題
量子コンピューターの開発・運用には莫大なコストがかかります。極低温を維持するための冷却システム、高度な制御機器、専門的な人材の確保など、様々な面で大きな投資が必要です。この高コスト体質が、技術の普及を妨げる要因の一つとなっています。
将来的な有用性からも量子コンピューターの実用化に向けた研究開発は、世界中で活発に行われています。Google、IBM、Intelなどの大手テクノロジー企業や、多くの研究機関が開発にしのぎを削っています。将来的には、これらの課題がクリアされ、我々の生活がより豊かになる次世代技術、それが量子コンピューターなんです。
量子コンピューターの研究開発の現状
量子コンピューターの開発競争は、世界的なテクノロジー企業や研究機関を中心に激化しています。2024年現在、主要なプレイヤーたちが次々と新たな成果を発表し、実用化に向けた歩みを加速させています。
主要企業の取り組み
IBMは2023年末に433量子ビットの量子プロセッサー「IBM Quantum Condor」を発表し、2025年までに4,000量子ビット以上のプロセッサーの実現を目指すロードマップを示しています。また、量子コンピューターのクラウドサービスを提供し、一般のユーザーも利用できる環境を整備しています。
Googleは2019年に「量子超越性」を達成したと発表し、その後も研究開発を継続。エラー訂正技術の向上に注力し、より安定した量子計算の実現を目指しています。
日本の研究開発状況
日本では、理化学研究所や東京大学を中心に、独自の量子コンピューター開発が進められています。特に、超伝導量子ビットの研究では世界トップレベルの成果を上げています。
また、2024年までに国内企業でも量子コンピューターの実用化に向けた動きが活発化しています。日立製作所、NEC、富士通などが、独自の量子技術の開発を進めており、特に量子アニーリングマシンの分野で成果を上げています。
産業界での実用化に向けた動き
金融業界では、投資ポートフォリオの最適化や取引のリスク分析に量子コンピューターの活用を検討する動きが。
製薬業界でも、新薬開発プロセスの効率化を目指して量子コンピューターの導入を進めています。
自動車産業では、電気自動車のバッテリー開発や自動運転技術の向上に量子コンピューターの活用を検討しており、トヨタやVWなどが研究を進めています。
量子コンピューター関連銘柄とは
この記事でまとめている量子コンピューター関連銘柄とは、東京株式市場に上場している銘柄のなかで量子コンピューター関連の事業や材料で注目される可能性の高い銘柄のことを指します。
次世代スーパーコンピューターである量子コンピューターの実用化が本格化すると言われている2030年、現時点で障壁となっている課題をクリアしたり、はたまた新しい技術開発が進んだりと目が離せないテーマだと言えるでしょう。
というわけで、そろそろ本題の量子コンピューター関連銘柄・注目株一覧についてお話ししていきましょう!
量子コンピューター関連銘柄の本命株・注目株一覧
コード | 銘柄名 | 概要 |
---|---|---|
6501 | 日立製作所 | 「電子ビット」の寿命を従来の100倍以上に延ばす技術を開発 |
6701 | NEC | 量子アニーリング技術の研究開発の代表事業者として採択 |
6702 | 富士通 | 理化学研究所とともに64量子ビットの超電導式量子コンピューター開発 |
6503 | 三菱電機 | 量子コンピューター関連ベンチャー「QunaSys」に出資 |
9432 | NTT | 新方式の量子コンピューターを共同研究、開発。量子ビット制御ソフトウェア提供 |
7203 | トヨタ自動車 | 2021年より量子コンピューターを活用した応用研究 |
7735 | SCREENホールディングス | 量子アニーリング技術を有するスタートアップ「シグマアイ」と資本提携 |
2802 | 味の素 | 高機能CPUに使う「層間絶縁材料 味の素ビルドアップフィルム」を手がける |
9248 | 人・夢・技術グループ | 量子技術を活用した未来の社会課題解決を目指す「クオンタムシティ構想」の取り組み |
8056 | BIPROGY | 量子アニーリングとAIを組み合わせたアプリケーション開発 |
7912 | 大日本印刷 | 量子コンピューターのソフト開発会社と資本業務提携 |
3655 | ブレインパッド | さまざまな技術研究プロジェクトを立ち上げ。量子化技術についても |
8001 | 伊藤忠商事 | 子会社で量子コンピューティング活用にむけた「CUVIC for Quantum」を提供 |
3687 | フィックスターズ | 量子アニーリングと相互運用できるGPUベースの高性能計算基盤を提供 |
6864 | エヌエフホールディングス | 量子ビットを制御するためのシステムを手がける |
3915 | テラスカイ | 子会社「Quemix」が量子コンピューターの研究開発を行う |
6807 | 日本航空電子工業 | 量子コンピューター向けの非磁性同軸コネクターを開発 |
6838 | 多摩川ホールディングス | 量子暗号鍵対応の通信機器やシステムの研究開発を推進 |
6521 | オキサイド | 量子もつれ光源モジュール製品の開発 |
6965 | 浜松ホトニクス | 光方式の量子コンピューター向け受発光・光学部品などキーデバイスの供給 |
7713 | シグマ光機 | ナノレベルでの位置制御が可能な装置やビームスプリッターを手掛ける |
9719 | SCSK | Quemixと資本業務提携で量子コンピューターの社会実装に向けた研究開発 |
5582 | グリッド | トヨタ自動車と量子機械学習の研究分野で協業 |
4847 | インテリジェントウェイブ | 量子ソフトウェアを開発できるシミュレーター製品を持つ |
6597 | HPCシステムズ | 量子コンピューターを用いたソフトウェア開発スタートアップと資本業務提携 |
4069 | BlueMeme | 京都大学と量子コンピューターを用いたゲノム解析に関する共同研究 |
2693 | YKT | 量子コンピューター関連機器を取り扱う子会社あり |
3741 | セック | 大阪大学研究チームと量子計算と古典計算の協調処理の高速化技術開発 |
285A | キオクシアホールディングス | 極低音環境で安定動作するフラッシュメモリ開発 |
まずは、億トレが注目している量子コンピューターに関連性の高い銘柄をざっと一覧にしました。
多くの社会課題を解決する技術が誕生していくなかで、より短時間で瞬時に計算ができる量子コンピューター技術は必要不可欠だと言われています。こちらにリストアップした銘柄だけでなく今後もどんどん量子コンピューター関連事業に参入してくる企業は出てくると思います。このテーマはしっかりチェックしておいた方が良さそうです!
量子コンピューター関連銘柄の本命株・注目株【5選】
日立製作所(6501)
日立製作所(6501)は、半導体技術を用いたシリコン量子コンピューターの開発を手がけています。
大規模化の課題解決につながるシリコン量子コンピューターを大規模集積するための「シャトリング量子ビット方式」という技術開発を主に行っており、特にシリコン量子コンピューターという分野では世界をリードするような銘柄だと言えるでしょう。
フィックスターズ(3687)
フィックスターズ(3687)は、量子コンピューター関連銘柄の筆頭と言っても過言ではないです。
高速ソフトウェア開発を手掛ける同社は、組合せ最適化問題の解決に向けて、最適なハードウェアを選択可能な量子コンピューティングのクラウドサービスを展開しています。また、11月8日には、理化学研究所の研究チームやNTTなどとともに、室温環境で大規模な計算が可能な光方式の量子コンピューターの開発に成功したことを発表しました。
味の素(2802)
味の素(2802)は、食品や調味料の企業だと認識している人がほとんどだと思いますが、実はそれだけではありません。
コンピューターの心臓部ともいえる高性能半導体(CPU)の絶縁体には味の素グループが開発したABFという層間絶縁体が使われており、現在では全世界の主要なパソコンのほぼ100%のシェアだそうです。味の素は隠れ量子コンピューター関連銘柄の本命と言えるでしょう。
エヌエフホールディングス(6864)
エヌエフホールディングス(6864)は、「微小信号測定器」や「低雑音信号処理システム」などの量子ビット制御システムを製作していることもあり量子コンピューター関連株として注目されています。
時価総額もそんなに大きくない銘柄なので本格的に動き出せば大相場になる可能性を秘めている銘柄だと思います。
テラスカイ(3915)
テラスカイ(3915)は、2019年に量子コンピューターを使った課題解決を目的とした事業を展開する株式会社Quemixを子会社として設立しています。
こちらも量子コンピューターとの関連度、そして値動きの軽さで堂々のランクインです。
まとめ
今回の記事では「量子コンピューター」の基礎知識、さまざまな活用法や直面している課題、そして量子コンピューター関連の注目株一覧、本命銘柄についてお話ししました。
考えただけですごい技術ですし、これからの社会の主軸になるようなテーマだと思いますし、関連株をチェックしておいた方が良さそう!量子コンピューター関連銘柄は最近また注目度が一段と高まっていますので、高値掴みしないよう買い時をしっかりと狙って買っていきたいですね。
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