米国市場はドイツの金融最大手、ドイツ銀行などヨーロッパの銀行の経営が悪化して金融不安に陥るなどの不安を煽るニュースが報道されたことを懸念して、ドイツ銀行の株価は一時前日比-15%まで急落と3年ぶりの大幅安を記録。デフォルト(債務不履行)に対する保証料も上昇となり欧州市場が急落、米国市場もこれを受けて寄り付き後は売りが入る展開となりました。
売り一巡後は「米利上げが近く止まる」との観測などから買い戻しの動きが出て、NYダウは大幅下落から一転上昇に転じ、終値は32237.53ドル、前日比+132.28ドル、ナスダック総合指数も11823.96ポイントと前日比36.56ポイントと続伸となりました。
ドイツ銀行破綻というシナリオは本当に存在するのか?
昔から株式投資をしている方は知ってるかもしれませんが、ドイツ銀行の経営懸念は2017年頃から言われており、ギリシアを始めEU域内の弱い国々の債務保証をドイツが行い、その肩代わりをドイツ銀行が行っていたと言われており、それにより5,000兆円の債務を抱えていると言われていました。
5000兆円って…もはや訳の分からない金額ですが、2017年でそんな話が出ていましたので、クレディスイスの経営破綻となると過去にも噂になっていましたので「次はドイツ銀行だ!」といったニュースが出る可能性はありそうと思っていましたが、やはり出てきましたという感じです。
業績自体はかなり苦しい展開が続いてましたし、ドイツ銀とポストバンクは近年すでに450余りの国内店舗を閉鎖していますし、人員整理や役員報酬を下げるなど様々な策を講じていました。
まずドイツ銀行が何故破綻との噂が出たのか、それは国・企業などが「破綻」「倒産」したときの不良債権を肩代わりするCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というデリバディブ商品を扱っていました。
経営悪化はCDSによる巨額の保険金支払いが要因が大きいのですがそれ以外にもマネーロンダリングや、不正取引による制裁金といった要因があります。
CDSもですが世界中にデリバディブ商品を売っていますので万が一破綻すると不良債権になってしまい、その場合、世界的に経済悪化になるのは間違いないと言えます。
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ドイツ銀行の最近の業績は?
ただドイツ銀行は2023年2月2日に発表した決算では第4・四半期決算は、予想を上回る大幅増益となっていますし通期では3年連続の黒字となっています。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は「われわれは過去3年半の間にドイツ銀行の変革に成功した」とも述べており、業績は回復傾向となっています。
ですので、ドイツ銀行の破綻という最悪のシナリオがすぐに起きるという事は考えにくいと思います。
唯一の懸念は万が一業績がブレて不良債権がでた時ですが、過去にドイツの「メルケル元首相が救済しない」と公言していました。
ですが今のショルツ首相はドイツ銀行は「非常に収益性の高い銀行だ。心配する必要はない」、「ビジネスを根本的に近代化し、再編成している」とも指摘し、経営の安定を強調しています。
ただ何が起こるか分からない相場だけに、今後ドイツ銀行破綻をキッカケとした金融危機の発生の可能性はありますが、突然の破綻は考えにくく、ショルツ首相は上記発言を考えても、万が一があれば救済という方法をとると見ています。
来週の日本株の動きは?配当狙いも重なり日経平均株価は28,000円を狙う期待も!
来週の日本株ですが、3月末の相場となりますが、ドイツ銀行破綻などの悪材料ニュースもでましたが、米国同様に混乱を防ぐ為に安心感を与える発言をしています。
3月配当取りが水曜というものもありますので、週明け~水曜までは上昇余地が高いです。
日経平均株価は配当前に28,000円を狙う動きとなると見ていますが、配当後の下落というポイントをしっかりと意識して取り組みましょう。個人的には26800円位までは売られるという可能性も視野に入れていますが、悪材料出尽くしで来週は反発すると見ています。
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