こんにちは、億トレサラリーマンです。
近年、少子化の影響を身近に感じる場面が増えてきました。子どもの姿が少なくなった公園、閉園する保育園や学校のニュース、そして高齢化が進む地域社会。これらは少子化が引き起こす深刻な課題の一部に過ぎません。出生率の低下に伴い、労働力人口の減少や社会保障制度の維持といった問題が今後さらに顕在化するでしょう。
しかし、この大きな社会的課題は、同時に企業にとっての新たなビジネスチャンスでもあります。少子化対策に取り組む企業は、政府支援を受けながら保育や教育、子育て支援事業を拡大させており、投資家にとって注目すべきビッグテーマとなっています。特に保育施設の運営や不妊治療の支援、子ども向けサービスを提供する企業は、少子化対策の要として成長が期待されています。
この記事では、少子化対策に関連する本命株や注目株を一覧で紹介します。社会課題の解決に貢献しながら投資機会を探るためにも、こうした企業への注目が重要性を探っていきましょう。
日本の少子化問題
データで見る日本の少子化の現状
日本の少子化問題は非常に深刻になっています。2023年の出生数は75万人を下回り、過去最低を更新。2024年の出生数は速報ベースでも2023年をさらに下回り、初めて年間70万人を割り込む見通しだそうです。
日本の少子化問題はこれまでどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。
第二次世界大戦後間もない1947年の第1次ベビーブーム時には年間出生数が約270万人を記録。戦後の日本は著しい経済成長を見せ所得水準の向上、社会保障の充実、医療技術の向上により1960年ごろからは多産少死から小産小死へと人口転換が進みました。
1971-1974年までの第2次ベビーブームでも出生数は200万人を超えていました。しかし、その後は減少の一途をたどり、2000年に120万人を割り込み、2023年には75万人にまで減少。わずか20年余りで実に45万人もの減少しているんです。
ざっくり10年ごとの出生数と出生率のデータはこんな感じになっています。
1950年
・出生数:233.7万人
・出生率:3.65
1960年
・出生数:160.6万人
・出生率:2.00
1970年
・出生数:193.4万人
・出生率:2.13
1980年
・出生数:157.1万人
・出生率:1.75
1990年
・出生数:122.2万人
・出生率:1.54
2000年
・出生数:119.0万人
・出生率:1.36
2010年
・出生数:107.1万人
・出生率:1.39
2020年
・出生数:84.0万人
・出生率:1.33
2023年
・出生数:75.8万人
・出生率:1.26
この影響は既に社会の様々な場面で表れています。2023年度の小学校入学者数は約103万人で、30年前の約180万人から大きく減少。地方では学校の統廃合が進み、2022年度には全国で400校以上の小中学校が閉校しているみたいです。
実際、自分が通っていた小学校もクラスの人数もクラス自体も減っていますし、少子化の深刻さを感じます。
さらに深刻なのは、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計です。このまま有効な対策が講じられなければ、2050年の出生数は50万人を下回る可能性があるとされています。これは現在の3分の2程度の水準です。
また、人口置換水準という、人口が長期的に増えも減りもせずに一定となる出生水準となる数値からの乖離もかなり大きくなってきています。
少子化の要因
日本の少子化を引き起こしている要因は、社会構造や価値観の多様化など、様々な背景があります。
経済的要因
若年層の所得の伸び悩みや非正規雇用の増加により、経済的な不安定さが結婚や出産を躊躇させる要因となっています。特に、教育費や住居費の高騰は、子育て世代の大きな負担となっています。文部科学省の調査によると、子ども一人を大学卒業までに必要な教育費は約1,000万円とされ、この金額が子どもの数を制限する要因の一つだと考えられるでしょう。
就労環境
長時間労働や硬直的な働き方により、仕事と育児の両立が困難な状況が続いています。特に女性は、出産後の復職や昇進機会の制限など、キャリアへの影響を懸念して出産を控える傾向にあります。厚生労働省の調査では、第一子出産を機に約5割の女性が離職している現状があります。
未婚化・晩婚化
1980年には26.1歳だった女性の平均初婚年齢は、2022年には29.5歳まで上昇。結婚年齢の上昇は、必然的に出産年齢の上昇にもつながっています。また、独身でいることのメリットを重視する価値観の変化や、結婚相手との出会いの機会の減少なども、未婚率上昇の要因となっています。さらに、晩婚化に伴う妊娠・出産に関する医学的な課題も無視できません。女性の年齢が上がるにつれて妊娠しにくくなることは医学的な事実であり、不妊治療を必要とするカップルが増加しています。しかし、治療費用の負担や仕事との両立の難しさから、希望通りに子どもを持てないケースも少なくありません。
ほかにも都市部への人口集中も影響を与えています。都市部では住居費が高額なため、広い住居を確保することが困難で、複数の子どもを持つことを躊躇する要因となっています。また、地方では若年層の流出により、結婚相手との出会いの機会が減少しています。
これらの要因に対して、政府は様々な対策を講じていますが、その効果はまだ限定的です。少子化問題の解決には、経済的支援の充実、働き方改革の推進、子育て支援サービスの拡充など、総合的なアプローチが必要とされています。
少子化への取り組み
政府は少子化対策を「国の重要課題」と位置付け、様々な施策を展開しています。2023年には「こども家庭庁」を設置し、子育て支援策の強化を図っています。
経済的支援の面では、児童手当の拡充や出産・育児に関わる費用の補助が行われています。2024年度からは、出産育児一時金が50万円に引き上げられ、0歳から2歳児の保育料の無償化も段階的に実施されています。また、不妊治療の保険適用も開始され、経済的負担の軽減が図られています。
働き方改革の推進も重要な取り組みの一つです。育児休業制度の充実や、男性の育休取得促進により、仕事と育児の両立支援が強化されています。特に「産後パパ育休」の導入は、男性の育児参加を促す新たな試みとして注目されています。
保育環境の整備も着実に進められています。待機児童の解消を目指し、保育所の新設や既存施設の拡充、保育士の処遇改善などが実施されています。また、放課後児童クラブ(学童保育)の整備も進み、共働き世帯の子育て支援体制が強化されています。
地方自治体独自の取り組みも活発化しています。結婚支援センターの設置や、若者の出会いの場の創出、子育て世帯への住宅支援など、地域の特性を活かした施策が展開されています。
企業における取り組みも広がりを見せています。育児との両立支援制度の充実や、事業所内保育所の設置、時短勤務やテレワークの導入など、働きやすい環境づくりが進められています。
しかし、これらの取り組みにはまだ課題も残されています。支援策の認知度向上や、制度を利用しやすい職場環境の整備、より実効性のある経済支援の実現など、さらなる改善が必要でしょう。
少子化対策で需要の高まる業種
少子化対策に関連して、様々な業種で新たなビジネスチャンスが生まれています。政府の支援策拡充や社会ニーズの変化により、特に以下の分野での需要拡大が期待されています。
保育関連サービスは最も顕著な成長が見込まれる分野です。保育所の新設や既存施設の拡充に伴い、保育施設の運営企業や保育用品メーカーの需要が高まっています。また、企業主導型保育所の増加により、事業所内保育施設の設計・運営を手がける企業にも注目が集まっています。
不妊治療関連も成長分野として注目されています。フェムテックなんかもそうですね!不妊治療の保険適用開始により、治療件数の増加が見込まれます。これに伴い、不妊治療クリニックの運営企業や、治療薬・医療機器メーカー、さらには不妊治療専門の人材派遣企業なども成長が期待されます。
働き方改革関連のITサービスも需要が拡大しています。テレワークシステムの開発・提供企業や、育児と仕事の両立をサポートする業務効率化ツールの開発企業が注目を集めています。また、シフト管理や勤怠管理など、柔軟な働き方を支援するシステムの需要も高まっています。
子育て支援サービスも多様化しています。ベビーシッターマッチングサービス、子どもの送迎サービス、一時預かりサービスなど、共働き世帯のニーズに応える新しいサービスが次々と登場しています。また、子育て関連のシェアリングサービスや、育児情報のプラットフォーム運営なども成長分野として期待されています。
教育関連サービスも変化しています。オンライン教育の普及により、デジタル教材開発企業やオンライン教育プラットフォームの需要が増加。また、共働き世帯の増加に伴い、学童保育や習い事の送迎サービスなども注目を集めています。
このように、少子化対策は様々な業種にビジネスチャンスをもたらしていると言えるでしょう。
少子化対策関連銘柄 一覧まとめ
というわけで、そろそろ本題の少子化対策関連銘柄についてお話しします。
まずは少子化対策関連銘柄を一覧にしましたのでご覧ください。
コード | 銘柄名 | 概要 |
---|---|---|
2152 | 幼児活動研究会 | 幼児体育指導、独自教育プログラム、園経営コンサル |
2281 | プリマハム | グループ会社が男性用不妊治療関連商品 |
2462 | ライク | 保育園など子育て支援事業 |
2749 | JPホールディングス | 子育て支援最大手、認可保育園や学童クラブ運営 |
3199 | 綿半ホールディングス | グループ会社が不妊治療薬の原薬製造 |
3937 | Ubicomホールディングス | 婦人科遠隔ソリューションのスタートアップに出資 |
4014 | カラダノート | ファミリーデータプラットフォーム事業 |
4552 | JCRファーマ | 不妊治療薬を開発 |
4554 | 富士製薬工業 | 不妊症治療薬と血管造影剤が主力 |
4571 | NANO MRNA | PRP療法を用いた不妊治療をサポート |
4595 | ミズホメディー | 妊娠検査薬などが主力 |
4880 | セルソース | 再生医療を用いた不妊治療分野で富士製薬工業と事業提携 |
4886 | あすか製薬ホールディングス | 産婦人科領域のリーディングカンパニー |
6046 | リンクバル | 街コンや恋愛情報イベント、オンライン婚活サポートなど |
6071 | IBJ | 婚活サイト、その他婚活サービス、結婚相談、新生活支援など |
6181 | タメニー | 結婚相談所、高い成婚率が強み |
6189 | グローバルキッズCOMPANY | 首都圏中心に保育所を通じて子育て支援事業を展開 |
6557 | AIAIグループ | 認可保育園を運営 |
7037 | テノ.ホールディングス | 保育所、企業内保育所、ベビーシッター、結婚相談など |
7075 | QLSホールディングス | 首都圏や大阪を中心に認可保育所の運営 |
7084 | Kids Smile Holdings | 保育施設運営や幼児教育教材の開発など |
7097 | さくらさくプラス | 認可保育所の運営、保育所への活用を想定した不動産事業 |
7363 | ベビーカレンダー | 出産・育児向け情報サイト運営、産婦人科向けの経営支援事業など |
7780 | メニコン | 不妊治療患者向けサプリメントなどの開発 |
8001 | 伊藤忠商事 | 女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うfermataに出資 |
8091 | ニチモウ | グループ会社が不妊治療患者向けサプリメントなど |
9438 | エムティーアイ | 婦人科系アプリ「ルナルナ」 |
まずは、億トレが注目している少子化対策に関連性の高い銘柄をざっと一覧にまとめました。
「少子化」という社会問題は日本における一番の課題とも言え、長期的な目線でも大きなトレンドになってくることが予想されます。政府も一番の課題として認識している以上は国策といってもいいビッグテーマではないでしょうか。しっかりとチェックしておいて損はないと思います。
少子化対策関連銘柄/本命株・注目株
エムティーアイ(9438)/少子化対策関連銘柄 本命株
エムティーアイ(9438)は、グループ全体で多岐にわたるヘルスケア事業を展開しており、特に注目すべきはルナルナメディコが提供するサービスです。女性の心身の健康をサポートするアプリ「ルナルナ」は、多くのユーザーに利用されています。また、このアプリに記録された月経日や基礎体温、低用量ピルの服薬状況といったデータを、産婦人科でPCやタブレットを通じて閲覧できる「ルナルナ メディコ」という専門的なサービスも提供しています。
さらに、別のグループ会社では、電子母子手帳アプリ「母子モ」や、企業向けの健康支援サービス「ルナルナ オフィス」を手掛けており、幅広いヘルスケアソリューションを展開中です。足元の株価は、13週および26週移動平均線に沿った強い上昇トレンドを維持しており、堅調な推移が続いているので、しっかりと押し目を狙っていきたい億トレの少子化対策関連の本命株です。
あすか製薬ホールディングス(4886)/少子化対策関連銘柄 本命株
あすか製薬ホールディングス(4886)は、産婦人科領域で業界を牽引するリーディングカンパニーとして、内分泌やホルモン分野の専門性を活かし、女性の健康課題に取り組む多彩な事業を展開しています。特に、不妊治療分野への取り組みが注目されています。2022年4月には、子会社であるあすか製薬が取り扱うプラノバール配合錠を含む5つの製品が、不妊治療に関する効能・効果について保険適用となり、患者への治療負担軽減に寄与しました。このように、女性の健康を支える医療サービスのさらなる拡充を目指しています。
右肩上がりの堅調なトレンドを形成するも一旦調整、2000円を下値支持の目安として底堅い推移となっているのでエントリーしやすい水準だと思います。この銘柄も億トレ注目の少子化対策関連の本命株です。
さくらさくプラス(7097)/少子化対策関連銘柄 本命株
さくらさくプラス(7097)は、教育関連事業を中心に展開している企業です。主に、学習塾やオンライン教育サービスを手掛けており、生徒一人ひとりのニーズに応じた学習支援を提供しています。また、教育にITを融合させたサービスにも注力しており、効率的な学びをサポートするためのデジタルツールやシステムを開発しています。
さらに、教育以外の分野にも進出しており、保育事業や子育て支援に関するサービスも展開しています。フェムケア・フェムテック事業のM&Aなどの成長投資も積極的。教育の質向上と次世代の育成を使命とし、家庭や地域社会と連携しながら事業を拡大中です。
直近では、株主優待制度の新設を好感され連続ストップ高で株価跳ねちゃいましたね。紹介するのがちょっと遅かったです、、、
といいつつも少子化対策関連銘柄としてまだまだ注目!エントリーの際は押し目をしっかり狙いましょう!
JPホールディングス(2749)/少子化対策関連銘柄 本命株
JPホールディングス(2749)は、保育園や学童クラブ、児童館など、多様な子育て支援施設を運営している企業です。グループ会社には、全国で保育園を展開する日本保育サービスや、保育園向け給食事業を担うジェイキッチンがあります。また、幼児向け学習プログラムの開発や発達支援事業を行うほか、子育て関連用品のリユース通販サイト「コドメル」を運営する日本保育総合研究所も傘下に持ち、子育てに関する幅広いサービスを提供しています。億トレもかなり注目している少子化対策関連銘柄の本命株です。
株価は、調整を含みながらもしっかりとした上昇トレンドを形成。しっかりと押し目を狙ってエントリーさえすれば良さそう!
綿半ホールディングス(3199)/少子化対策関連銘柄 本命株
綿半ホールディングス(3199)は、幅広い事業を展開している企業です。グループ会社の綿半トレーディングでは、不妊治療薬の原薬製造を手掛けており、中国から輸入した性腺刺激ホルモン剤HMGの粗原料を精製し、製薬会社へ提供しています。一方で、綿半キッズスクールでは、学習塾や学童保育施設の運営、さらには許可外保育施設の運営を行うなど、教育・子育て分野にも注力しています。少子化対策関連としてはかなり面白い銘柄だと思います。
株価は1800円近辺から調整局面が続きましたが、1500円を下値として意識される格好で反発局面を迎えています。こちらも投資妙味のあるいい銘柄だと思います。
まとめ
今回の記事では「少子化」というテーマで、日本における少子化問題の深刻さ、少子化対策や少子化対策によって需要拡大するであろうセクター、そして少子化対策関連の本命株、注目株について解説しました。
日本において少子化という社会問題はかなり深刻であり、国の重要課題として位置付けられています。
少子化への対応としてはポンッと簡単に解決するものではなく、長期的な目線で様々な対策を講じる必要があります。そういった意味でも少子化対策関連は国をあげて真剣に取り組まなければならない国策であってロングテーマとして考えておく必要があるでしょう。
短期的な目線ではなく、中長期的な目線でしっかりと追っていけば少子化対策関連銘柄はすごく投資し甲斐のあるテーマだと思います。
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