こんにちは、億トレサラリーマンです。
みなさんは太陽光発電に対してどんなイメージを持っていますか?
私は広い土地やスペースがないと設置できないのに、設備にとんでもなくお金がかかって、そのくせに投資金を回収するかしないかくらいで壊れたりメンテナンスにお金がすごくかかる微妙なやつみたいな印象があります。
実際に太陽光ってクリーンエネルギーだし、これをエネルギーに変換できるのならそれは理想的な話なんですけど、お金が無駄にかかったり設置場所がなかったりっていうのは切っても切れない課題なわけなんです。
でも、もし従来の太陽電池よりも安くで作れて、色々な場所に設置できるようになれば、、、
なんて話がもう現実になってきているんです。
今回は、世界中で注目されている次世代太陽電池の「ペロブスカイト太陽電池」に関するお話しをしていきたいと思います。
もちろんペロブスカイト太陽電池関連の注目銘柄や関連銘柄一覧を中心に解説していきます。
ペロブスカイト太陽電池とは
ペロブスカイト太陽電池って何?
2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、世界中で再生可能エネルギーへの取り組みが行われているなか、日本で注目を集めているのが今回記事にする「ペロブスカイト太陽電池」です。
ペロブスカイト太陽電池は、次世代の太陽電池として世界中でも注目を集めている革新的な技術です。その名前の由来は、結晶構造が鉱物の「ペロブスカイト」と同じ構造を持つことからこう名付けられています。
現在、世界中の研究機関や企業などがこぞって開発を進めており、再生可能エネルギーのさらなる普及の切り札として大きく期待されている最先端技術です。
今までの太陽電池との違い
太陽電池というと、みなさんが想像するのは黒い大型のパネルがずらっと並べてある光景であったり、家や施設の屋根などに設置されている様子だと思います。日本中どこにいってもそういった風景がみられるくらい今までは太陽光発電によるエネルギーの創出に注力してきました。これらのほとんどは「シリコン系太陽電池」というもので、シリコンでできた発電層を持つ太陽電池です。現在、このシリコン系太陽電池が約95%のシェアを占めていると言われています。
シリコン系太陽電池は、耐久性があり、照射された太陽光エネルギーを電力に変換する効率が高いという素晴らしい特徴がありますが、太陽電池自体や耐久性を担保するためのガラスなどの重さがネックとなり、とにかく設置場所を選ぶという大きな課題を抱えていました。平地の極端に少ない日本ならなおさらなことですよね。
すでに日本では平地面積あたりの太陽光発電設備の設置量は主要国でダントツの1位であり、これ以上増やすにはどうしていけばいいのかという大きな課題に直面しているのです。
まさに、この大きな課題を解決し得る革新的な技術として注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」。
ペロブスカイト太陽電池の最大の特徴は、従来のシリコン系太陽電池と比べて製造コストが大幅に安くなるという点です。溶液を塗布して作製できるため、高温・高真空の製造プロセスが不要で、印刷技術を応用した製造が可能です。
また、薄くて軽量、柔軟性があり、半透明にもできるため、建物の窓やカーブした表面への設置など、従来では難しかった場所にも適用できます。たとえば、今までビルの屋上のような足元のしっかりした開けた場所にしか設置できなかったのが、ビルの壁面に設置したり、屈曲した部分に設置できたり、ただでさえ少ない平地を太陽光発電設備に利用せずに他の用途で利用できるようになると考えるとかなりメリットになりますよね。
性能面では、わずか10年ほどの研究期間で、変換効率が29%以上まで向上し、シリコン太陽電池に迫る性能を実現しています。しかし、耐久性や安定性の面で課題も残されており、これらの解決が実用化への鍵となっています。
ペロブスカイト太陽電池のメリットとデメリット
まずペロブスカイト太陽電池のメリットの方を解説します。
メリットその1/製造の低コスト化
先述した通り、最大のメリットとして挙げられるのは、「製造の低コスト化」だと思います。
ペロブスカイト太陽電池は、材料をフィルムなどに塗布・印刷して製造することができるため、従来のシリコン系太陽電池と比べ大幅に低コスト化を実現できるというメリットがあります。
低コストで製造できるともなれば、色々なところで活用できる技術となり、われわれの生活の一部に当たり前のように活用されるようなシーンがこれからたくさん出てくるという形になりそうですよね。
メリットその2/とにかく軽量で柔軟性がある
従来のシリコン系太陽電池が重くて厚みがあり、設置場所を選ぶということに対して、ペロブスカイト太陽電池は小さな結晶の集合体の膜のようなものなので、とにかく軽量で柔軟性があり、折り曲げたり歪みに強いという特性があります。そのため、従来では設置できなかったような場所や製品などに設置・搭載しやすいという大きなメリットがあります。
壁紙のように自由に設置できるものになるので、本当にさまざまな用途で使用されそうですよね。
メリットその3/主要原料「ヨウ素」が日本でまかなえる
ペロブスカイト太陽電池の主要原料は「ヨウ素」とは、原子番号53、第17族ハロゲン元素に属する非鉄金属元素であり、日本の生産量が世界シェアの約3割を占めます。そのため、原料の調達を他国からの輸入に頼ることなく安定的に供給することができるため、経済安全保障の面でも大きなメリットがあります。
多くの資源を輸入に頼る日本において、自国でまかなえる原材料であることはかなり大きなメリットなんじゃないでしょうか。
メリットがあればもちろんデメリットもあります。
次に、デメリットについて解説します。
デメリットその1/耐久性の問題
第一の課題は耐久性です。水分や酸素、熱、光によって性能が劣化しやすく、従来のシリコン系太陽電池のような20年以上の長期使用に耐えられません。特に屋外での使用において、天候の影響を受けやすい点が実用化への障壁・課題となっています。
いくら製造コストが安く済むとはいえ、日光や雨風ですぐに劣化しているようなら屋外での実用化って難しいように感じますよね。
デメリットその2/安定性の問題
第二の課題は安定性です。現状では発電性能が環境条件によって変動しやすく、安定した出力を維持することが困難と言われています。また、大面積化した際に性能が低下する傾向があり、実用サイズでの性能維持が課題となっています。
大きな面積で実用できないとなると、たくさんのエネルギーを作り出すという点ではまだまだシリコン系太陽電池には劣ってしまうということになります。ここもかなり大きな課題になりますね。
デメリットその3/環境への影響の問題
第三の課題は、有害物質である鉛の使用です。現在の高効率なペロブスカイト太陽電池には鉛が含まれており、環境への影響が懸念されています。鉛フリー化の研究も進められていますが、まだ十分な性能が得られていないのが現状です。
環境問題は避けては通れない問題なので、ここもクリアしないといけない大きな課題になりそうです。
ペロブスカイト太陽電池の活用法
さて、ここからはペロブスカイト太陽電池がどのような用途・使途で活用が期待されているかについてお話ししていきます。
軽量で柔軟性に富むペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池では設置が困難だった場所での活用が大きく期待されています。
建築分野では、ビルの窓ガラスに組み込み「太陽電池窓」としての活用が有望視されています。半透明にできるという大きな特性を生かして、室内の明るさを保ちながら太陽光での発電が可能になります。これ、すごくないですか?
また、曲面のある建築物の壁であったり、荷重制限を気にすることなく屋根に設置できたり、かなり柔軟な設置が可能になるため、太陽光発電設備の導入率アップに大きく寄与するんじゃないかと考えています。
次に、モビリティ分野です。
電気自動車のボディや屋根への搭載が有望視されています。走行中や駐車中にも充電でき、走行距離を多く確保できるようになるため、従来使用していたエネルギーの節約につながります。
また、ドローンやIoTデバイスなど、軽量性が重視される機器への搭載もかなりアツいんじゃないかと思います。もともと寿命の短い機器への用途であれば、耐久性の課題はそこまで問題ではなくなるので実用化が近い分野なんじゃないかと個人的には考えています。
あとは、宇宙用太陽電池としての活用も検討されています。
軽量かつ高効率であれば人工衛星や宇宙ステーションとの相性がよく、理想的な用途だと考えられます。
と、ここで挙げられないくらいさまざまな用途での活用が期待される革新的な技術、それは「ペロブスカイト太陽電池」なのです。
一般人が想像しただけでも”こういうところでも使えそう!”と思いつくくらいなので、本当に色んなところで使われそうですよね!
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄とは
この記事でまとめているペロブスカイト太陽電池関連銘柄とは、東京株式市場に上場している銘柄のなかでペロブスカイト太陽電池関連の事業や材料で注目される可能性の高い銘柄のことを指します。
次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の世界市場は2020年代後半から本格的な量産がスタートし、2040年の世界市場は2兆4000億円以上になると目算されています。現時点で障壁となっている課題をクリアすればもっと早い段階で量産やさまざまな分野での活用が見込まれ、どんどん市場は拡大するでしょう。
というわけで、そろそろ本題のペロブスカイト太陽電池関連銘柄・注目株一覧についてお話ししていきましょう!
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄の本命株・注目株一覧
コード | 銘柄名 | 事業概要 |
---|---|---|
4237 | フジプレアム | ペロブスカイト太陽電池の研究開発および量産化技術の確立を進める |
6804 | ホシデン | ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発と生産準備を進める |
4204 | 積水化学工業 | フィルム型ペロブスカイト太陽電池を開発し、建材一体型製品の実用化と量産化を目指す |
5201 | AGC | 建材一体型太陽光発電ガラス実用化を推進 |
6387 | サムコ | ペロブスカイト太陽電池向けの成膜装置を開発・製造し、研究機関や企業に供給 |
1663 | K&Oエナジーグループ | ヨウ素およびヨウ素化合物の製造・販売 |
1963 | 日揮ホールディングス | 各種プラント建設、ペロブスカイト太陽電池製造にむけてスタートアップ企業と協業 |
3132 | マクニカホールディングス | ペロブスカイト太陽電池と蓄電池の普及に向けた実証実験で連携 |
4004 | レゾナック・ホールディングス | 名古屋大学との共同研究で曲がる太陽電池の開発 |
4021 | 日産化学 | ペロブスカイト太陽電池向け材料の開発 |
4107 | 伊勢化学工業 | 主原料となるヨウ素生産量で世界大手 |
4118 | カネカ | 高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発 |
4188 | 三菱ケミカルグループ | ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究開発に協力 |
4362 | 日本精化 | ペロブスカイト太陽電池に必要な正孔輸送材料「Spirokite」の開発・製造 |
4633 | サカタインクス | 塗布技術を用いペロブスカイト太陽電池の材料の開発 |
4901 | 富士フィルムホールディングス | ペロブスカイト太陽電池の材料研究 |
5020 | ENEOSホールディングス | 主原料となるヨウ素の生産能力を2倍に増やす取り組み |
5216 | 倉元製作所 | 液晶ガラス基板加工の強みを活かし、ペロブスカイト太陽電池の製造 |
6245 | ヒラノテクシード | ペロブスカイト太陽電池専用の塗工設備を製造・販売 |
6255 | エヌ・ピー・シー | ペロブスカイト太陽電池製造装置、製造ラインの販売 |
6752 | パナソニックホールディングス | 自社開発の「発電するガラス」の製造・販売 |
6856 | 堀場製作所 | ペロブスカイト太陽電池の研究開発 |
6996 | ニチコン | フィルム型ペロブスカイト太陽電池を活用したメンテナンスフリーの電子棚札システムの開発ほか |
7259 | アイシン | ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究開発 |
7752 | リコー | ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実装検証 |
8015 | 豊田通商 | ペロブスカイト太陽電池の開発を手がける「エネコートテクノロジーズ」に出資 |
まずは、ペロブスカイト太陽電池に関連性の深い銘柄をざっとピックアップして一覧で紹介しました。
世界的にカーボンニュートラルに向けた取り組みが加速している状況において、完全なクリーンエネルギーである太陽光をいかに活用するかということはかなり重要になってきているので、こちらにリストアップした銘柄だけでなく今後もペロブスカイト太陽電池関連事業に参入してくる企業も少なくはないでしょうね。
ペロブスカイト太陽電池関連の本命銘柄
サカタインクス(4633)
印刷インキの大手、サカタインクス(4633)は同社の基盤技術である塗工技術を活かし、新規事業としてペロブスカイト太陽電池の材料開発に取り組んでいます。京都大学が立ち上げた「フィルム型太陽電池研究コンソーシアム」にも参画。
ペロブスカイト太陽電池は「どれだけ薄くできるか」「どれだけ量産しやすいか」「どれだけ耐久性を出せるか」「どれだけ変換効率を上げられるか」という課題があるいい上、本格的な実用化・量産化に向けて重要な分野を担っている企業だと言えるでしょう。
1800円台まで買われ一旦上昇一服といったフェーズだが、再び上値指向が見られる段階で狙い目かもしれません。
日本精化(4362)
日本精化(4362)は、ペロブスカイト太陽電池の正孔輸送材料である「Spirokite(スピロカイト)」の開発・製造を手がけています。
正孔輸送材料は効率よく発電するための大きな役割を担う部分なので、需要拡大に伴った業績伸長が大きく期待されます。
2024年8月に2008円をつけてから上昇基調なのでいい感じの押し目くらいでエントリーするのもオススメです。
伊勢化学工業(4107)
伊勢化学工業(4107)は、ペロブスカイト太陽電池の主原料となるヨウ素を製造する企業です。供給先は世界20カ国、全世界で約15%のシェアを占める世界的大手企業です。なぜ本命かっていうのは言うまでもないかもしれません。
株価は、強い上昇トレンドから一旦調整局面を迎えるも、20,000円近辺で底堅く推移。再び上値を試す場面かというところ。
まあでも株価24,000円ってすごく買いにくいですよね。
K&Oエナジーグループ(1663)
ヨウ素製造を行うK&Oエナジーグループ(1663)ですが、世界の約5%のシェアを占めている大手企業です。
ペロブスカイト太陽電池の主要原料となるヨウ素ですから、本格的な実用化に向けて研究開発と量産が進めば業績は保証されたようなものですよね。そういった意味でも本命視せざるを得ない銘柄とでも言っておきましょう。
株価も底値圏からの浮上かという値動きになっており、ここから上値を試す動きになってくる可能性は高いと見込んでいます。
エントリーの際は、しっかり押し目を狙っていきましょう!
アイシン(7259)
アイシン(7259)は、トヨタ系部品大手企業です。同社の自動車塗装のスプレー技術を生かし、モビリティ分野でのペロブスカイト太陽電池の活用に一役買うのではないかと見込んでいます。
トヨタも京都大学発ベンチャーとペロブスカイト太陽電池の共同開発を行なっているので、本格的な導入が進めば化ける素質あるんじゃないかなんて思ったりもしています。なんたって世界のトヨタですからね。
株価も1,600円近辺のボックス相場から上放れしたかなくらいのところなので狙ってみても面白いかも!
まとめ
今回の記事では「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識やメリット・デメリット、さまざまな活用法や直面している課題、そしてペロブスカイト太陽電池関連の注目株一覧、本名銘柄についてお話ししました。
考えただけですごい技術ですし、時代の潮流のど真ん中ですし、完全に国策関連銘柄ですよね。
それだけ刮目すべきテーマ株だと思いますし、株式投資をしている以上は避けてはいけないテーマだと思います。
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄は一旦買われて少し調整を挟んでいる銘柄がすごく多いので、ボックス相場を上に抜けるタイミングをしっかりと狙っていきたいですね!
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