こんにちは、億トレサラリーマンです。
12月6日発表の11月米雇用統計を受けて、12月の米利下げ観測が強まり、円買いドル売り優勢の展開になりました。
米連邦準備理事会(FRB)が12月17-18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定するのではないかと予想する声が大きいみたいですね。
12月7日時点でのドル円は1ドル=149.97円とゆっくりと円高に傾いており、2025年は円高になるのではないかという見方が強いこともあり、「円高メリット銘柄」が株式市場における重要なテーマになりそうです。
円高株安なんてよく言われ、円高は株価に対してあまりポジティブな印象がない方もいると思いますが、円高の恩恵を享受できる銘柄なんてのも実は少なくありません。
というわけで、今回の記事では今後のドル円相場や円高について、そして一番重要な「円高メリット銘柄」について詳しくご紹介していきます。
円高とは?
円高とは、円の価値が他国通貨(主に米ドル)に対して上昇する現象を指します。
例えば、1ドル=150円から1ドル=130円になると、以前より少ない円で1ドルを購入できるようになり、これが「円高」と呼ばれます。
単に為替レートの変動にとどまらず、企業活動や家計消費、さらには日本全体の経済に大きな影響を及ぼします。
円高になる主な要因
円高を引き起こす背景には、以下のような要因が挙げられます。
国際的な経済情勢
世界経済が不安定になると、投資家は「安全資産」とされる円を買う傾向があります。特に、地政学的リスクや国際紛争が高まると、日本円への需要が増えることが一般的です。
金利差
円高と金利政策は密接に関連しています。
他国の金利が低下し、日本の金利とのギャップが縮小すると、投資家は円を選好するようになります。2024年現在、米国の利下げ観測が強まる一方で、日本銀行が長短金利操作(YCC)の見直しや追加利上げを示唆しており、これが円高圧力を高める要因となっています。
リスク回避志向
世界的な不確実性が高まると、リスク回避の動きが強まり、安全通貨とされる円が買われます。この動きは、2024年のウクライナ情勢の緊迫化や、アメリカの政治的不安定性などの要因で一層強まっています。
円高が日本経済に与える影響
円高にはもちろんメリットとデメリットがあります。それぞれ具体例を挙げて詳しく解説します。
このメリットデメリットを理解していれば、円高進行した時も逆に円安進行した時もかなり有利に立ち回れると思います。
円高のメリット
輸入品の価格下落によるコスト削減
円高により、輸入品の価格が下がります。たとえば、原油や天然ガスなどエネルギー資源の多くを輸入に依存している日本では、円高が進むことで輸送費や電気料金が低下する可能性があります。
例:1バレル=100ドルの原油を輸入する際、1ドル=150円の場合は15,000円必要ですが、1ドル=130円になると13,000円で済みます。この差額は企業の収益改善に直接つながります。
物価の安定と消費者の購買力向上
輸入品の価格が下がることで、食品や日用品の値段も低下しやすくなります。これにより家計負担が軽減され、消費者が自由に使えるお金が増えることで国内消費が活性化します。
例:輸入小麦の価格が下がることで、パンや麺類の価格が安くなる可能性があります。これにより、多くの消費者が恩恵を受けるでしょう。
インバウンド消費の活性化
円高が進むと海外旅行者にとって日本が「割高」に感じられることがありますが、逆に高品質な日本製品を求める海外顧客からの需要が拡大するケースもあります。輸入高級車やブランド品を扱う企業にはプラス要素となることがあります。
円高のデメリット
輸出企業の国際競争力低下
輸出企業にとって、円高は売上や利益にマイナスの影響を与える可能性があります。日本製品が海外市場で割高になるため、競争力が低下し、販売が減少することがあります。
例:1ドル=150円の為替レートで製品を販売していた企業が、1ドル=130円になると、同じ製品を売っても円建ての収入は減少します。トヨタ自動車などの輸出依存度の高いメーカーがこの影響を受けやすいとされています。
企業業績の悪化
円高は企業の決算において「為替差損」として影響します。海外で稼いだドル建ての利益を円に換算したとき、為替差によって利益が目減りします。
例:日本の輸出企業が海外で稼いだ1,000万ドルを1ドル=150円のとき円に換算すると15億円となりますが、1ドル=130円では13億円に減少します。この2億円の差が企業利益に直接影響します。
国内産業への間接的な影響
円高による輸出不振が、雇用や設備投資に悪影響を与える可能性もあります。特に輸出型産業が地方経済を支えている地域では、経済全体が萎縮する恐れがあります。
円高が進行することで打撃を受ける企業もあれば、恩恵を受ける企業や業界があるというのはお分かりいただけたかと思います。
ドル円相場の推移と予測
2024年末のドル円相場は、150円を超える円安の局面を経て、徐々に円高の兆候が現れつつある状態といえます。
この動きは、日本銀行の金融政策変更やアメリカ大統領選挙の結果など、複数の要因が絡み合った結果。
これらの要因はなんだったのでしょうか。
トランプ氏再選による影響
2024年11月5日、アメリカ大統領選において共和党のドナルド・トランプ氏が勝利し、アメリカでは再びトランプ政権時代を迎えることとなりました。
トランプ氏の大統領再選を受けて、東京外国為替市場では一時急激な円安ドル高に傾き、11月6日には1ドル154円台前半まで上昇し、約3ヶ月ぶりの円安水準を記録。その背景には、前回の第一次トランプ政権時にアメリカファーストなディール外交によって為替相場が大きく揺さぶられたことが影響しているでしょう。
前回のケースからストレートに予想するとドル高要因となることが考えられますが、米国内での政治的分断やその他の外交問題(中国との対立など)のリスクを勘案すると米ドルへの信頼感の低下を引き起こす可能性は十分に考えられるでしょう。
一方、日本では、日銀がインフレ目標達成に近づく中、さらなる利上げの可能性が議論されています。2024年12月18-19日に予定されている日銀の金融政策決定会合では、追加利上げの決定がドル円相場に円高圧力を加える可能性が高いとの見方ができるでしょう。
金融政策と世界経済による影響
アメリカでは、2024年後半にFRBが利下げを進めたことで、ドル安圧力が強まりました。この動きは、米国経済の減速が背景にあります。
特に、2024年の世界経済成長率見通しが2.4%と低下し、米国が1.6%にとどまると予測されたことで、ドルの下落リスクが顕著。これに対して、日本の新政権がインフレ目標達成を理由に金融引き締めを進める場合、円高の傾向が強まる可能性が高いとみられています。
今後のシナリオと見通し
2024年後半から2025年にかけて、ドル円相場は円高に傾く可能性が高いとみています。
過去の相場動向から考えると138円近辺まで円高が進行してもおかしくない状況にあるでしょう。
まあ、あくまでも予測であって米国と日本の金融政策の行方次第でどうにでも変動するんですけどね。
そのなかで私たち投資家は、為替相場だけでなくこれらの動向を注視し、市場の急激な変動に備えつつ、柔軟な戦略を持つことが重要です。
円高進行した場合、また円高進行を予想した銘柄選定がすごく大事なので、ここからは肝心の「円高メリット関連銘柄」についてお話ししていきます。
億トレ最注目の円高メリット関連銘柄一覧
円高メリット銘柄とは、円高進行となると「売上高が伸びる」「コストが安くなる」「為替差益がでる」などのメリットを享受できる銘柄のことを指します。
それでは早速ジャンルごとに億トレ最注目の円高メリット関連銘柄一覧をご紹介していきます。
運送・航空/円高メリット関連銘柄
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
9064 | ヤマトホールディングス |
9076 | セイノーホールディングス |
9075 | 福山通運 |
9201 | 日本航空 |
9202 | ANAホールディングス |
9204 | スカイマーク |
9206 | スターフライヤー |
まずは、運送会社や航空会社をピックアップしました。
燃料の輸入コストが下がるというダイレクトな恩恵がまさに円高メリット関連銘柄だと言えるでしょう。こういった運送会社系は経費のうちの多くを燃料コストに割いているため、円高による収益改善効果は絶大です。
この中で、億トレが注目している円高メリット関連銘柄はヤマトホールディングス(9064)です。
足元の株価は円安の煽りを受けて1600円の底値付近で揉み合い、円高基調が続く形となれば元々の株価水準くらいまでの戻しが見込まれ、十分に利幅が狙えるんじゃないかと思います。
電力・ガス/円高メリット関連銘柄
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
9501 | 東京電力ホールディングス |
9502 | 中部電力 |
9503 | 関西電力 |
9504 | 中国電力 |
9505 | 北陸電力 |
9506 | 東北電力 |
9507 | 四国電力 |
9508 | 九州電力 |
9509 | 北海道電力 |
9511 | 沖縄電力 |
9531 | 東京ガス |
9532 | 大阪ガス |
9533 | 東邦ガス |
9534 | 北海道ガス |
9535 | 中国ガス |
9536 | 西部ガスホールディングス |
つぎに、電力会社やガス会社をピックアップしました。
こちらもダイレクトに円高メリットを享受できる系の銘柄ですよね。化石燃料や原油・天然ガスの輸入コストが低下することで業績改善効果は抜群だと言えます。
この中で、億トレが注目している円高メリット関連銘柄は九州電力(9508)です。
割安だし押し目からの反転狙えそうなところかなと思ったりしています。あくまでもこれは個人の見解なので参考程度にしておいてくださいね。
石油・石炭/円高メリット関連銘柄
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
3315 | 日本コークス工業 |
5013 | ユシロ化学工業 |
5017 | 富士石油 |
5019 | 出光興産 |
5020 | ENEOSホールディングス |
5021 | コスモエネルギーホールディングス |
つぎは、石油・石炭系の銘柄をピックアップしました。
石油や石炭はほぼほぼ輸入に頼っているという点で、円高になると原材料コストが削減され業績改善につながる可能性が高い円高メリット関連銘柄だと言えます。
輸入家具・アパレル/円高メリット関連銘柄
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
9843 | ニトリホールディングス |
9983 | ファーストリテイリング |
8227 | しまむら |
7453 | 良品計画 |
2685 | アダストリア |
7606 | ユナイテッドアローズ |
7564 | ワークマン |
2670 | エービーシー・マート |
つぎは輸入系の服飾雑貨や家具・日用品などの銘柄をピックアップしました。
輸入関連企業は円高局面において大きな恩恵を受ける業種の一つとして注目されています。海外から商品や原材料を調達する際、円高により現地通貨建ての仕入れコストが円換算で下がるため、直接的な収益改善効果が期待できます。
この中で、億トレが注目している円高メリット関連銘柄はニトリホールディングス(9843)と良品計画(7453)です。
ニトリは輸入家具の企業ではないですが、自社の多くの家具などを生産コストの安い中国や東南アジアで生産して輸入しているため、円高のメリットを大きく受ける銘柄だと言えます。無印良品で知られる良品計画もメイドインジャパンの商品だけでなく海外拠点での生産にも多く依存していることもあり、円高進行となれば輸入コストがグッと下がって大きなメリットを享受できる銘柄でしょう。
海外旅行/円高メリット関連銘柄
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
9603 | エイチ・アイ・エス |
9726 | KNT-CTホールディングス |
9376 | ユーラシア旅行社 |
3926 | オープンドア |
6030 | アドベンチャー |
6191 | エアトリ |
最後に旅行代理店や旅行関連サービスを行なっている銘柄をピックアップしました。
円高は海外旅行関連企業にとって大きな追い風となります。海外のホテルや観光施設の利用料、現地ツアーの手配費用など、外貨建ての支払いが円換算で減少することで、パッケージツアーの原価を抑えることができます。これにより、旅行会社は競争力のある価格設定が可能となります。
まとめ
億トレが最注目する円高メリット関連銘柄を一覧でまとめてみました。
2025年にかけて円高進行となれば、一覧に挙げているような銘柄に注目が集まると思うので早めにチェックしておいて損はないはずです。
どちらにせよ円高の時にはこういう銘柄たちが動きやすいんだなとか、逆に円安の時には注意が必要だなみたいな感じで覚えておくのがおすすめなので、ぜひこの記事を参考にしていま一度ポートフォリオを見直してみてはいかがでしょうか!
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