昨晩の米国市場は、3月のCPIは前年同月比3.5%上昇、伸び率は前月から2カ月連続で加速となりました。伸び率は市場予想も上回り、6月に見込まれている利下げ開始時期が遅れるとの観測が浮上。
米債券市場ではこれを受けて長期金利が上昇(債券価格が下落)しました。CPIが市場予想より上振れしたことや10年債入札が需要の弱さを示す結果となり、米長期金利は午後に4.5%台半ばと、5カ月ぶりの高水準を付けました。
NYダウは終値38,461.51ドル、前日比-422.16ドル、ナスダック総合指数は半導体株などハイテク株が売られ終値16,170.36ポイント、前日比-136.28ポイントとなりました。
筆者は米国株をこう見る。
3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨では、インフレ鈍化について「幾分スムーズではない道筋」が続くとの見方からダウ構成銘柄はほぼ全面安、来週はゴールドマンサックスなど大手金融の決算が控えています。
利下げ期待が先行していたという部分はありますので、肩透かしを食らったと言えますね。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)も前日比1.65%安の4,790.35ポイントと、久々にCPIの結果が大きな売りの動きとなりましたが、ナスダック総合指数はもう一段押すと利益確定売りもでやすく投げが加速するチャートとなっていますので無理せず取り組んでいきましょう。
米CPIの結果、ドル円が153円台に突入!日本株は米国市場の下落を受けて値がさ株を中心に売りが広がる展開!
本日の日本株は、米主要3指標が下落した影響から寄付きからハイテク株を中心に売りが入りました。日経平均株価は値がさ株を中心に売りが入り一時39,065.31円と売り込まれましたが、ドル円が153円と円安進行した影響もあり、トヨタ自動車(7203)など、輸出関連株が買われ、引けにかけては下げ幅縮小となりました。
日経平均株価は終値39,442.63円、前日比-139.18円、TOPIXは終値2,746.96ポイント、前日比+4.17ポイントとなりました。東証プライム市場は、値上がり697銘柄、値下がり893銘柄、東証スタンダード市場は値上がり614銘柄、値下がり809銘柄と、値下がりが優勢。東証グロース市場は値上がり160銘柄、値下がり357銘柄となりました。
日本株に対して筆者はこう見る。
円安は日本株にとっては下支え要素が高いとは言いますが、34年ぶりの円安水準ですが、金利を下げたいアメリカは下げられず、金利を上げたいはずだった日本は上げられないというジレンマな状況からも、ここぞとばかりにヘッジファンドが投機的な円売りのポジションとなっています。
鈴木財務相は、「152・153円という数字だけでなく、行き過ぎた動きに対しては適切に対応したい」と発言して為替介入を匂わす発言をしています。ドル円のチャートを見ると綺麗に揉み合いから上放れという形となっていますが、どこで為替介入があるのか…
今の勢いで為替介入しても焼け石に水という感じはありますので、155円くらいまでは見ておくべきかもしれませんね。本日引け後に投資主体別売買動向がありましたが、海外勢、個人と買い越しに転じています。
海外勢が買いにきているという部分は、期待できるところではありますが、やはり米国市場が売られますと不安定な動きとなります。まだまだ上昇トレンドは崩れていないと言えますが、SQ通過してから相場はどう動くか難しい局面ですので逆指値を入れて無理せずにいきましょう。
テーマとしては円安、輸出関連というのは勿論ですが、岸田総理が、渡米して日米首脳会談が行われましたが脱中国を念頭に置いた半導体戦略における日米での協調路線、また人工知能(AI)分野での連携するとしております。
米マイクロソフトのスミス社長は、岸田文雄首相と会談し生成AIとサイバーセキュリティー分野での協力を確認、日本でのデータセンター拡充を目的に2年間で29億ドル(日本円で約4400億円)を投資する計画を表明しています。
米国を代表する時価総額最大のIT企業が惜しみなく資本を投下する構えを示した!というのは今後の期待値も高いと言えますので、やはり生成AIや半導体、サイバーセキュリティ関連も引き続き注目ですね。
それでは億トレの注目銘柄ですが、サイバーセキュリティ関連のIPO、ハンモック(173A)を記載します。
億トレ注目のIPO銘柄 ハンモック(173A)
ハンモックは東証グロースに4月11日に上場、創業30周年、ネットワークソリューション、セールスDXソリューション、AIデータエントリーソリューションの3ソリューションを提供する法人向けソフトウェアメーカーです。
同社は2005年度、2006年度にIT資産管理ツールトップシェアを獲得したAssetView GOLDをはじめ、内部統制を見据えた業務効率改善に有効なBPMシステム/内部統制ワークフロー LiquidOffice、信頼できる技術で全世界に認められているFAXサーバ RightFaxなどの販売、およびそれら製品の組み合わせによるソリューションを提供しておりますが、セキュリティー対策の面から統合的に管理する「AssetView」、セールスDXソリューションでは営業支援ツール「ホットプロファイル」、新規顧客開拓ツール「ホットアプローチ」を提供しています。
同社の強みですが、オンプレミス型、クラウド型の両方の提供の形態があることなどから、顧客は民間企業から官公庁まで、また、事業規模も大手企業のみならず、中小企業まで幅広く導入されています。
DXやAIのテーマ性は勿論ですが、サイバーセキュリティという面もあります。直近の業績を見ましても2024年3月期の業績は、売上高が前期比5.8%増の42.2億円、経常利益が同45.2%増の7.3億円と増収増益の見通しとなっておりますが↓
ネットワークソリューション事業はクラウドビジネスが拡大したことで堅調に推移。
セールスDXソリューションは名刺データ化の需要が増加し、アップセルに寄与、SFAの新規売上、SFAへのプラン変更によるアップセルが堅調に推移
AIデータエントリーソリューションは注文書等のOCR処理のニーズは継続的にある一方、マークシート入力製品、OCR製品「RightFax」のリプレイスや新規売上の伸びは今一つですが、ここからという部分もあります。
何よりも、割高な銘柄が多いグロース市場でPER15倍,PBR4.83倍、利回り1.43倍ですので割高な面もなくベンチャーキャピタルの保有はなく、ロックアップはほぼ身内というか創業者関連でほぼ全てに180日で掛かっています。
懸念としては創業30年とそれなりに歴史がありますので、ここから成長性は伸び悩むという面はありますが、テーマ的な強さもありますので期待はできるかな?と思っています。
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