こんにちは、億トレサラリーマンです。
東京証券取引所の市場改革が本格化しています。その中でも注目すべきポイントのひとつが、「親子上場の見直し」です。東証は、コーポレートガバナンスの強化や少数株主の保護を目的として、親子上場の解消を促進する方針を打ち出しています。
これまで、親会社と子会社がともに上場しているケースは、日本の株式市場では珍しくありませんでした。
しかし、親子上場にはいくつかの問題点があります。例えば、
- 親会社が子会社の経営に影響を与えすぎることで、子会社の独立性が損なわれる
- 親会社と子会社の間で利益相反が生じる可能性がある
- 少数株主の利益が軽視される恐れがある
こうした問題を解決するために、東証は親子上場の見直しを進めています。東証の定める「上場廃止基準」の適用が進められ、2025年3月以降にそれぞれの企業の事業年度末を迎えるか1年間で基準を満たさない企業は、市場区分の変更や上場廃止といった対応を迫られることになります。つまり、ここから1年間で親会社が子会社を完全子会社化するためのTOB（株式公開買付け）ラッシュを迎える可能性が非常に高いということになります。すでに、以下のような親子上場企業がTOBを実施し、親子関係を解消する流れが生じています。
- 古河電気工業（5801）と親子関係だった古河電池（6937）
- イオン（8267）と親子関係だったイオンディライト（9787）
- エア・ウォーター（4088）と親子関係だった川本産業（3604）
イオンディライトのケースでは、親会社のイオンが同社の完全子会社化を目指してTOB実施を発表。TOB価格が5,400円と2月28日終値（4,685円）に対して15%のプレミアムが付きました。この発表を受けて、市場では買付け価格にサヤ寄せする形でストップ高張り付きに。
川本産業のケースでは、TOB価格が1,200円と2月7日終値（906円）に対して32%のプレミアムが付きました。この発表を受けて、市場では買付価格にサヤ寄せする形でストップ高となる展開となりました。このように、TOBによる親子関係の解消が進むと、プレミアム付きTOBが発生する可能性が高く、投資家にとって大きな利益を得るチャンスとなります。実際に、過去の事例を見ても、TOB発表後に株価が急騰するケースは少なくありません。
この流れを踏まえ、今回は特集記事としてTOB期待の高い親子上場銘柄の厳選3銘柄【第1弾】をご紹介します。今後の市場の動きを先取りし、投資チャンスを掴むための参考にしていただければと思います！
※2025年3月25日のデータを参照しています
億トレ厳選！TOB期待の高い親子上場銘柄【3選】
イオンファンタジー(4343)
東証プライム｜PER-倍｜PBR7.68倍｜利回り0.19％｜時価総額531億円
イオンファンタジー(4343)は、総合小売大手のイオン(8267)の子会社で、イオンモールを中心としたショッピングモール内にアミューズメント施設「モーリーファンタジー」やインドアプレイグラウンド「スキッズガーデン」などを展開する企業です。主力事業は、ファミリー向けアミューズメント施設の運営であり、特に子供とその家族をターゲットにした施設展開に強みを持っています。最新のデジタル技術を取り入れたアトラクションや、子供の成長を促す体験型施設など、独自のエンターテイメントを提供しています。イオンモールという強力な集客力を持つ商業施設との連携により、安定した集客と高い認知度を確保しています。
直近、イオンディライトをTOBによって完全子会社した実績があるため、イオンと親子関係にある企業は狙い目だと思います！
まぐまぐ(4059)
東証スタンダード｜PER71.2倍｜PBR1.94倍｜利回り-％｜時価総額15.7億円
まぐまぐ(4059)は、航空券予約サイト運営のエアトリ(6191)の子会社で、メールマガジン配信プラットフォーム「まぐまぐ！」を運営する企業です。
主力事業は、メールマガジン配信事業とコンテンツプラットフォーム事業の2つです。「まぐまぐ！」は、個人や企業が発行するメールマガジンを読者へ配信するサービスであり、多様なジャンルの情報発信を支援しています。また、オンラインメディア「MAG2 NEWS」や、オンラインサロン「まぐまぐ！プレミアム」など、コンテンツプラットフォーム事業も展開しています。長年の運営で培ったメールマガジン配信のノウハウと、多様なジャンルの発行者・読者を抱えることにより、独自のコンテンツエコシステムを構築しています。
時価総額が小さく、東証スタンダードの上場廃止基準に近いという点でTOBの確率は高い銘柄だと思います！
JMDC(4483)
東証プライム｜PER29.3倍｜PBR2.44倍｜利回り-％｜時価総額1,814億円
JMDC(4483)は、車載・鉄道システム・ヘルスケアなどの制御機器大手のオムロン(6645)の子会社で、医療ビッグデータを活用した情報サービスを提供する企業です。
主力事業は、医療データベース事業と医療分析事業の2つです。医療データベース事業では、匿名化された診療情報や健診情報などを収集・蓄積し、医療機関や製薬企業などに提供しています。医療分析事業では、蓄積されたデータを分析し、医療費分析や疾病リスク予測などのサービスを提供しています。競合他社との差異としては、国内最大級の医療データベースを保有している点が挙げられます。また、医療分野に特化した高度なデータ分析技術が強みであることにより、医療機関や製薬企業などから高い信頼を得ています。
こちらは、東証プライムの上場廃止基準には引っかからない水準ではありますが、株価的に調整期が続いていることもありTOBしやすい水準になっていることから選出しています。
以上が、億トレ厳選TOB期待の高い親子上場銘柄の厳選3銘柄【第1弾】でした。
プレミアム付きTOBが実施されれば、シンプルにそのプレミアム分の利幅が利益になります。
通常であれば、たまたま持っていた銘柄がTOB対象となることはあるものの、それは運でしかないし、そうそうあることではありませんよね。しかし、今回の東証の市場改革によって、今後1年間は親子上場解消のTOBが増加する確率が大幅に高まっています。つまり、今まで以上に戦略的にTOB対象銘柄を狙うことができる状況だということです。これを絶好のチャンスと捉え、しっかりとリサーチしながら狙っていきましょう！
次回は、億トレ厳選TOB期待の高い親子上場銘柄の厳選3銘柄【第2弾】をお送りします！ぜひお楽しみにしていてください！
※あくまでもこの記事は億トレの個人的な予想と見解で記述してあります。投資の際にはご自身の判断で余裕資金内で行ってください。
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