中国景気減速懸念や米国の利上げと世界的な悪材料が出て、お盆相場は日本株も大幅にブレていましたが、週明け相場は何とか値を戻してきていますね。
米国でインフレ鎮静化を狙ったFRBによる利上げ長期化、この懸念から長期金利が上昇となりハイテク株全体に売りが波及し、その後は中国不動産大手の恒大集団が約48兆円の負債を抱えNY裁判所に破産法の適用を申請と中国不動産バブルの崩壊という懸念もダブルパンチとなり一気にリスクオフ姿勢が強まる形となりました。
結構投資家の皆様も、「中国不動産崩壊」からの「中国版リーマンショック」で株価暴落!という心配をしているかと思いますので、億トレの考察を記載致します。
中国不動産バブル崩壊は起こるべくして起こった!
中国の不動産は、そもそも中国共産党が40年の間にあまりに上がりすぎた不動産価格の軌道修正をする為に、2020年8月、中国政府は「三道紅線(三本の赤線)」という規制強化の方針を打ち出しました。
※「三道紅線(三本の赤線)」「家は住むもので、投機するためのものではない」との中国共産党指導部の考えを実行するため、「財務状況が好ましくない不動産開発企業には銀行融資を制限する」という規制
この規制で財政状況に不安のある不動産開発企業に対する銀行融資を規制となり、過剰な不動産投機を抑制し、格差を是正することを目的としたものです。不動産価格が上昇が続きこの投機的な価格上昇を抑えにいった。これが今回の不動産の破綻につながっていると言えます。
不動産を買うと、日本でも頭金を支払ったあと、住む前からローンの支払を開始するのが一般的ではありますが、中国も同様です。
ただこの規制から借り入れができなくなった不動産会社やデベロッパーの資金繰りが急悪化、建設会社が資金が入ってこないことから工事を中止するという状況が多発となりました。
これにより中国の不動産は、中国で一般的だった完成前の「青田買い」契約が急減、深刻な販売不振となったのです。
中国版リーマンショックとなるのか?ドミノ連鎖は起きる可能性は!?
まず結論ですが、中国の不動産のドミノ的な倒産の可能性はあると思います。
これを聞くと世界でもアメリカに次いで2位の大国中国の不動産バブルの崩壊、米国のリーマンショックと比べてしまうところはありますが、そこまでの事態にならないと予想しています。
その理由ですが…
今回の中国不動産の崩壊は政府が意図的に生み出したもの!
という部分が大きくリーマンショックと違う点と言えます。後はリーマンショックが起こった理由としては、不動産バブル崩壊から基軸通貨で世界中でドルが使われていました。
そのドルの流通が滞った!そして米国政府は当時、勝手に投棄して勝手に価格が破綻した会社をなんで助けなきゃいけないんだ!という感じで対応が遅くなったことも重なり世界中に影響を与えました。米国は世界でも当然トップの輸入額でしたのでとても大きく、景気後退で輸入が落ち込むと、アメリカに輸出していた国全体が大打撃を受ける状態となりました。
実際に中国の不動産では、次は碧桂園かもしれないとは言われています。
恒大集団が業績が落ち込む中でも、碧桂園は流動性危機による痛手をさほど受けていない質の高い優良企業と目されていましたが、この碧桂園も2023年1〜6月期の最終赤字が450億〜550億元となっており、22年末時点で1兆4348億元と恒大に次ぐ規模の債務を抱えています。
さらに続く同業大手の遠洋集団控股は、23年1〜6月期の最終赤字が183億元、6月末の債務総額は1902億元だった。14日に同期の赤字額が170億〜200億元になる見通しを開示しています。
大手がこれだけの債務を立て続けに発表していますので、中国不動産の債務再編は避けられない情勢ですので、やはり不動産価格は下がっていく可能性は高いのは間違いありません。
中国不動産価格の下落は、中国政府の狙った通りの形に…中国不動産のまとめ
上記記載通りですが、筆者は「今回の中国不動産企業の懸念」は世界的に不安材料になるのは間違いはない。という部分はありますが、リーマンのように突然きた!というわけではなく、政府が意図的に規制をかけて潰しにいったという部分があります。
中国不動産バブルは確かに崩壊していくというのはあるでしょうが、ある程度膿を出したら中国政府も規制緩和、公的資金を投入していく見込みは高い。
今回、連鎖倒産すれば、中国、上海の株は下落するでしょうし、日本株にもその売りが波及すると言えます。
ですが、日本と違い中国は一党独裁ですので、トップダウンですぐに実行できるという強みがありますので、ある程度膿を出したら規制緩和、公的資金投入という動きとなるとみています。
中国の不動産価格は暴落していますが、中国と比べて、一度バブル崩壊となった日本では、国土交通省が2023年3月22日に発表した公示地価では、全国平均が前年比1.6%上昇。2年連続上昇となっています。上昇率はリーマン・ショック以来15年ぶりの高水準となっております。
株式相場は閑散相場で悪材料と見られ急落とはなりましたが、日本の不動産価格は変わらずです。今後はわかりませんが現在の不動産への影響は限定的です。
相場自体が非常に疑心暗鬼にはなっていますが、今回の中国不動産バブル崩壊で中国版のリーマンショック…という事態がすぐに起こるというのは考えにくいと言えるのではないでしょうか。
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